はわわって言えばなんとかなると思ってた~拗らせ次期宰相からの執愛はウザい!~
流石に本来の好みのと本当に似合うものが一致しないということくらい理解している。それを大勢の貴族の前で披露するだなんて、無理して大人っぽいドレスを着ているだのドレスに着られているだの容易に陰口を叩かれることが想像できた。しかも。
「あと、『はわわ』は封印だ」
「最大にして唯一の武器なんだけどォッ!」
はわわまで封印されたのである。
その事実にくらりと目眩を起こすが、すかさずそんな私の腰に腕を回し支えたリチャードがじっと私の目を覗き込んだ。
「大丈夫、君の武器は」
「私の、武器……?」
「俺だ!」
「いい笑顔が腹立つーッ!」
ニカッと完璧に作り物の笑顔に苛立ちを覚えた私の全力の文句が部屋中に響いたのだった。
リチャードからドレスを贈られて一ヶ月。私はダンスに歩き方、「はわわ」と合わせると効果バツグンだった困り顔ではなく大人っぽい笑顔の振り撒き方までを徹底的に叩き込まれ気付けば馬車に乗っていた。
「まさか本当に着ることになるなんてね」
「その為に用意したんだから当たり前だろ。それにほら、似合ってる」
(それは、確かに……)
「あと、『はわわ』は封印だ」
「最大にして唯一の武器なんだけどォッ!」
はわわまで封印されたのである。
その事実にくらりと目眩を起こすが、すかさずそんな私の腰に腕を回し支えたリチャードがじっと私の目を覗き込んだ。
「大丈夫、君の武器は」
「私の、武器……?」
「俺だ!」
「いい笑顔が腹立つーッ!」
ニカッと完璧に作り物の笑顔に苛立ちを覚えた私の全力の文句が部屋中に響いたのだった。
リチャードからドレスを贈られて一ヶ月。私はダンスに歩き方、「はわわ」と合わせると効果バツグンだった困り顔ではなく大人っぽい笑顔の振り撒き方までを徹底的に叩き込まれ気付けば馬車に乗っていた。
「まさか本当に着ることになるなんてね」
「その為に用意したんだから当たり前だろ。それにほら、似合ってる」
(それは、確かに……)