はわわって言えばなんとかなると思ってた~拗らせ次期宰相からの執愛はウザい!~
「どうかしてんのはアンタでしょ!?」
抱き上げられたことで自由を奪われた私がぎゃいぎゃいと叫ぶと、何故か可笑しそうに彼が吹き出した。
「ねぇ。どうして俺を会場から連れ出したの?」
「そんなの弱みになるからに決まってるじゃない!」
「弱み?」
「お酒に弱いなんてバレたら、利用されちゃうもの」
それは事実だ。お酒が弱いなんて知られれば彼にお酒を飲まそうとする人が多く出るだろう。何故なら彼は今後国を担う宰相に内定している。それだけではない。次期侯爵という地位でだって狙われるし、悪意を持った人間なんてそこら辺にゴロゴロと転がっているのだから。
「どう利用される?」
「だからお酒を飲まされて、機密事項を聞き出そうとされたり、私みたいな女が――、?」
苛立ちながら説明していてふとあることに気付く。彼の顔が赤くない。
(どうして? ボトル一本空けたのに)
「あの夜は一杯で顔が赤くなってた、のに……?」
怪訝な顔をしていたのだろう。私の疑問に気付いた彼がニッと口角を上げた。
「本当に利用できるのか、トレイシーが確かめてみたらいい」
「え……、ちょ」
抱き上げられたことで自由を奪われた私がぎゃいぎゃいと叫ぶと、何故か可笑しそうに彼が吹き出した。
「ねぇ。どうして俺を会場から連れ出したの?」
「そんなの弱みになるからに決まってるじゃない!」
「弱み?」
「お酒に弱いなんてバレたら、利用されちゃうもの」
それは事実だ。お酒が弱いなんて知られれば彼にお酒を飲まそうとする人が多く出るだろう。何故なら彼は今後国を担う宰相に内定している。それだけではない。次期侯爵という地位でだって狙われるし、悪意を持った人間なんてそこら辺にゴロゴロと転がっているのだから。
「どう利用される?」
「だからお酒を飲まされて、機密事項を聞き出そうとされたり、私みたいな女が――、?」
苛立ちながら説明していてふとあることに気付く。彼の顔が赤くない。
(どうして? ボトル一本空けたのに)
「あの夜は一杯で顔が赤くなってた、のに……?」
怪訝な顔をしていたのだろう。私の疑問に気付いた彼がニッと口角を上げた。
「本当に利用できるのか、トレイシーが確かめてみたらいい」
「え……、ちょ」