はわわって言えばなんとかなると思ってた~拗らせ次期宰相からの執愛はウザい!~
「そ、そんなことを……」
(言った、かもしれないわね)
 否定したいが否定の言葉が出てこない。確かにあの日、私は高望みする父にも無意味に誰でも参加可にした選定会にも辟易としていたのだ。
「タイミングを逃せばもう訪れない、それをわかっている君が大事な機会に俺を選んでくれたことが凄く嬉しかったんだ」
「選んだなんて……。ただ私も選定会から逃げ出しただけっていうか」
「それでも、その先で俺といることを選んでくれたよ」
 くすりと笑ったリチャードが、やわやわと揉んでいた胸元へと顔を近付ける。そしてまだ尖っていない先端へと舌を這わせた。

「んっ、あ……!」
「可愛い」
「あっ、や、あぁんっ」
「あの夜も思ったけど、本当に感度がいいね」
 しみじみとそんな感想を口にしたリチャードがカリッと甘噛みすると、痺れるような快感が広がってビクンと腰が大きく跳ねた。そのことに気をよくしたのか、片手でドレスを脱がしながら胸への愛撫を激しくさせる。

「ふふ、安心して、トレイシー。ちゃんと俺が責任を取るからね」
「も、わかったから……」
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