年の差十五の旦那様 外伝①~捨てる恋あれば、拾う恋あり?~
第1話 確かに、蔑ろにしたのは私だけど……
「ロザリアは僕よりも仕事が大切なんだろう? だったら、仕事と結婚したらいいじゃないか」
久々に恋人と会える。嬉しくて、必死におしゃれをしてお休みを取った。
普段は王都に住んでいる恋人を迎えにいったとき、開口一番に彼は上記の言葉を吐き捨てた。
(――え?)
私たちの間を冷たい風が吹き抜ける。彼の真っ赤な瞳を見つめると、彼は気まずそうに視線をさまよわせる。
「え、えぇっと、どういうこと……?」
行き場のない手が、宙をさまよう。
唇の端を引きつらせて、私は恋人である彼――ノーマン・スティールに向かって問いかけた。
「言葉通りの意味だよ。ロザリアは僕のことよりも、仕事が大切なんだろう?」
「そ、そんなことないわ! 私にとって、仕事が大切なのは認めるけど、ノーマンのことも大切よ!」
実際、その通りだ。
あまり裕福ではないノーマンの実家スティール子爵家にお金を入れるためにも、私は頑張って働いていた。
確かにここ最近は私が辺境勤めになったこともあって、連絡は途絶え気味。会うことも少なくなっていた。
(でも、ノーマンだって応援してくれていたじゃない!)
私が辺境に行くことに不安を感じていたとき、ノーマンは「ロザリアのことを応援するよ」と言ってくれた。
あの言葉は嘘だったのだろうか?
「そんな言葉はいらないよ。今日はそれを伝えたかっただけなんだ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「僕たちはもう終わりだ。……じゃあね、ロザリア」
ノーマンが先ほど降りて来た馬車に乗り込む。彼が御者に合図をすると、馬車は颯爽と来た道を走り去って行った。
久々に恋人と会える。嬉しくて、必死におしゃれをしてお休みを取った。
普段は王都に住んでいる恋人を迎えにいったとき、開口一番に彼は上記の言葉を吐き捨てた。
(――え?)
私たちの間を冷たい風が吹き抜ける。彼の真っ赤な瞳を見つめると、彼は気まずそうに視線をさまよわせる。
「え、えぇっと、どういうこと……?」
行き場のない手が、宙をさまよう。
唇の端を引きつらせて、私は恋人である彼――ノーマン・スティールに向かって問いかけた。
「言葉通りの意味だよ。ロザリアは僕のことよりも、仕事が大切なんだろう?」
「そ、そんなことないわ! 私にとって、仕事が大切なのは認めるけど、ノーマンのことも大切よ!」
実際、その通りだ。
あまり裕福ではないノーマンの実家スティール子爵家にお金を入れるためにも、私は頑張って働いていた。
確かにここ最近は私が辺境勤めになったこともあって、連絡は途絶え気味。会うことも少なくなっていた。
(でも、ノーマンだって応援してくれていたじゃない!)
私が辺境に行くことに不安を感じていたとき、ノーマンは「ロザリアのことを応援するよ」と言ってくれた。
あの言葉は嘘だったのだろうか?
「そんな言葉はいらないよ。今日はそれを伝えたかっただけなんだ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「僕たちはもう終わりだ。……じゃあね、ロザリア」
ノーマンが先ほど降りて来た馬車に乗り込む。彼が御者に合図をすると、馬車は颯爽と来た道を走り去って行った。