年の差十五の旦那様 外伝①~捨てる恋あれば、拾う恋あり?~
振り返って男性を見つめると、彼はふらりと倒れた。ちょっと待って!?
「だ、大丈夫ですか!?」
男性の側に駆け寄って、彼の呼吸を確認する。よかった、生きてる。
「どこか調子が悪いのですか? 診療所まで行けますか?」
ゆっくりはっきり、私は男性に問いかけた。すると、男性はゆるゆると首を横に振る。
……歩けないってこと?
(とにかく、なんとかしなくちゃ。身体強化の魔法を私自身にかけて運ぶのがいいかな……)
身体強化の魔法はあんまり褒められたものじゃないけど、この際背に腹はかえられない。よし、運ぼう。
「大丈夫ですよ。診療所まで……」
安心させるように男性の手に自身の手を重ねた。彼がゆっくりと顔を上げる。
真っ青な目と光を通しそうにない黒髪。顔立ちは精悍で、まるで騎士みたい。……いや、実際騎士なのかな。
「その、悪いんですけど」
「……はい」
男性が申し訳なさそうな目で、私を見つめている。
そんな申し訳なさそうな顔を、しないでほしい。私は安心させるように微笑みかけた。
「私、こう見えてたくましいので。任せてください」
失恋したばかりで傷ついた女のセリフだとは思えない。
ただ、今はこの男性の命が最優先。
「い、え。そういうことではなくて」
しかし、男性は私の言葉に対して首を横に振った。一体、どういうこと?
「だ、大丈夫ですか!?」
男性の側に駆け寄って、彼の呼吸を確認する。よかった、生きてる。
「どこか調子が悪いのですか? 診療所まで行けますか?」
ゆっくりはっきり、私は男性に問いかけた。すると、男性はゆるゆると首を横に振る。
……歩けないってこと?
(とにかく、なんとかしなくちゃ。身体強化の魔法を私自身にかけて運ぶのがいいかな……)
身体強化の魔法はあんまり褒められたものじゃないけど、この際背に腹はかえられない。よし、運ぼう。
「大丈夫ですよ。診療所まで……」
安心させるように男性の手に自身の手を重ねた。彼がゆっくりと顔を上げる。
真っ青な目と光を通しそうにない黒髪。顔立ちは精悍で、まるで騎士みたい。……いや、実際騎士なのかな。
「その、悪いんですけど」
「……はい」
男性が申し訳なさそうな目で、私を見つめている。
そんな申し訳なさそうな顔を、しないでほしい。私は安心させるように微笑みかけた。
「私、こう見えてたくましいので。任せてください」
失恋したばかりで傷ついた女のセリフだとは思えない。
ただ、今はこの男性の命が最優先。
「い、え。そういうことではなくて」
しかし、男性は私の言葉に対して首を横に振った。一体、どういうこと?