僕の10月14日

 次の日、彼女は来なかった。ドキドキした。落ち着かなかった。

― 俺が歩かせてしまったから具合悪くなってしまっていたらどうしよう・・・それともフルーツ牛乳の間接キスが原因??? 
― あー、どうしたんだよ~華菜ちゃーん・・・


 寝れなかった。早く朝が来てくれないかと一晩中思った。そして朝になってもソワソワして、いつもより無心にリハビリをしてその時を待った。

「昨日はごめんなさい。」

「どうしたの? 具合悪くなった?歩かせちゃったから?」

「ううん。お母さんが来たの。」

「あー、そうだったんだ・・・良かった。」

「ごめんなさい。心配かけちゃった?」

「うん。心配した・・・」

「ありがとう。ちょっとうれしい・・・」

「それで、お母さんは急に来たの?」

「先生に呼ばれたんだって。もうすぐ退院できるみたい。でも退院しても当分は自宅療養だって・・・」

「いつ退院?」

「まだ、詳しくは決まっていない。」

「そうか・・・でも良かったね。」

「・・・本当にそう思っている?」

「心読まれちゃったか・・・ああ、会えなくなっちゃうのかなって・・・」

「私も・・・」

「でもさ、僕ももう直ぐ退院するだろうから、いい方向に考えようよ。」

「そうね・・・」

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