ティラミスよりも甘く
「それ、イッちゃ……っ!」

「百子はこの体位好きだよな。俺も好きだぞ。百子が何度もイくのが分かるからな」

襞の締め付けがきつくなり、陽翔は反射的に腰を止め、少し緩くなったら腰を前後に動かしたたり、かき回すように腰を動かした。

「ねえ……っ! 陽翔も、一緒に……!」

「まだだ。俺はもっと百子とくっつきたい」

陽翔が腰の動きを変えるため、百子は散々白い奔流に攫われたり、奔流の渦に放り込まれ、彼の腕の中で甘く応える。彼が身と熱杭を離してしまうと、寂寥がひんやりと百子の体を撫で、蜜壺の圧迫が消える。眉を下げた百子だが、体が反転したと思うと、彼の熱が背中いっぱいに感じられ、まるで欠けた部分を補うかのように、再び質量を増した彼の分身が、ぴったりと蜜壺に収まった。

(深い……!)

先程よりも熱杭の先端が何度も最奥に触れ、その度に目の前で白い光が瞬いて、ふわりふわりと意識が宙に浮く。陽翔の背中を這う指先と、互いの腰がぶつかる音と、結合部の淫靡な水音も、白い波を激しく渦巻かせるのに何役も買っていた。

(やべ、気を抜くとイッちまう)

少しでも百子に愛を囁きたい陽翔は、襞がうねってきたら腰を引き、数秒したらゆっくりと腰を押し進め、その後にやや強く腰を動かしていく作戦に出る。それでも幾度となく翻弄してきた百子の体は、陽翔を容易く白い雷で打ち据えようと、虎視眈々と彼を待ち構えていた。陽翔は彼女の白く滑らかな背中に赤い花びらを幾つも咲かせていたが、低い呻きを止めることはついにできなかった。

「百子っ! すまん……! 出る!」

「陽翔、一緒に……!」

陽翔の体が雷に打たれたように一瞬だけ硬直し、白い雷が強く弾ける。腰を二、三度強く打ち付け、根本を押さえて分身を引き抜き、百子をゆっくりと寝かせた陽翔は、素早く避妊具を処理して彼女を抱き寄せる。潤んだ瞳や、汗で髪が首筋に貼り付いているのが、いやに艶かしく、陽翔は百子の首筋に思わず唇を寄せ、そのまま舌を這わせた。

「陽翔、なんで……?」

「百子が美味いのが悪い」

舌なめずりをして百子に答えた陽翔は、百子の抗議の声を塞ぐように、彼女の口の中に舌を踊らせる。丹念に歯茎や舌をなぞった陽翔は、水差しからコップに水を注いで中身を空ける。そして百子を抱き起こし、口移しで水を飲ませた。
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