ティラミスよりも甘く
「ん、甘いな」
陽翔は指先についたクリームをゆっくりと舐め取り、残りのティラミスを掬って、そのスプーンを百子の口に近づける。
「は、陽翔?」
洋酒の香りが漂うそれと、陽翔を交互に見て、百子は顔のみならず、首まで赤くして口をわななかせる。先程の陽翔の、指を舐める動作が妙に色気を醸し出していたことが、百子の頭にちらつくのだ。
「俺は食べきれないから、百子が食べてくれ」
どうやら残りのティラミスを陽翔が食べさせてくれるらしい。一向に顔の熱が冷めない百子だが、目の前にあるチョコレート色が誘惑して来る。食欲に負けた百子は、視線を僅かに下げて、恐る恐る口を開ける。ひんやりと甘いクリームがすぐさま口の中で蕩け、ココアパウダーの苦味が後を追う。喉をこくりと鳴らし、ゆっくりと鼻から息を吐く。バニラと洋酒の残滓を楽しんでいた百子だったが、不意に陽翔の唇が寄せられ、肉厚の舌によって激しくかき回された。
(え、待って! 何で?)
混乱したまま、百子は陽翔の深い口付けを受ける。しかし体が瞬時に熱を持ち始めると、混乱は陽翔の口の中に、与えられる熱の中に、まるでクリームが溶けるように消えてしまう。百子は陽翔の舌の動きに誘われるように、自らの舌を絡める。唾液が百子の口の端を伝ったところで、ようやく陽翔が唇を離した。
「ん、やっぱり甘いな。俺はティラミスじゃなくて、百子の方がずっと好みだが」
そう言って陽翔は、百子の口の端に、首筋にゆっくりと舌を這わせながら、彼女の腰のくびれをそっとなぞる。不埒な大きな手は次第に降りていき、太ももと臀部をゆっくりと往復し始め、反対の手は百子のブラウスのボタンを、慣れた手つきで外していた。
「百子、ここにも零してたんだな」
揶揄うように告げる陽翔は、残り少なくなっているティラミスを指で掬い、わざと百子の胸の上に落とす。百子はクリームの冷たい感触にびくっと体を震わせ、その振動でクリームが蕾に向かって滑ってしまう。
「ちがっ……ん、やだ……」
百子の抗議の声は、蕾に触れたクリームがぬぐい去ってしまい、代わりに官能を引き出すかのように喘いでしまう。陽翔を見つめる瞳は、既に潤み始めていた。
「ここもきれいにしないとな」
ぴくぴくと震える百子を悠然と目で楽しむと、陽翔はクリームの付いた蕾を丹念に舐め上げた。
陽翔は指先についたクリームをゆっくりと舐め取り、残りのティラミスを掬って、そのスプーンを百子の口に近づける。
「は、陽翔?」
洋酒の香りが漂うそれと、陽翔を交互に見て、百子は顔のみならず、首まで赤くして口をわななかせる。先程の陽翔の、指を舐める動作が妙に色気を醸し出していたことが、百子の頭にちらつくのだ。
「俺は食べきれないから、百子が食べてくれ」
どうやら残りのティラミスを陽翔が食べさせてくれるらしい。一向に顔の熱が冷めない百子だが、目の前にあるチョコレート色が誘惑して来る。食欲に負けた百子は、視線を僅かに下げて、恐る恐る口を開ける。ひんやりと甘いクリームがすぐさま口の中で蕩け、ココアパウダーの苦味が後を追う。喉をこくりと鳴らし、ゆっくりと鼻から息を吐く。バニラと洋酒の残滓を楽しんでいた百子だったが、不意に陽翔の唇が寄せられ、肉厚の舌によって激しくかき回された。
(え、待って! 何で?)
混乱したまま、百子は陽翔の深い口付けを受ける。しかし体が瞬時に熱を持ち始めると、混乱は陽翔の口の中に、与えられる熱の中に、まるでクリームが溶けるように消えてしまう。百子は陽翔の舌の動きに誘われるように、自らの舌を絡める。唾液が百子の口の端を伝ったところで、ようやく陽翔が唇を離した。
「ん、やっぱり甘いな。俺はティラミスじゃなくて、百子の方がずっと好みだが」
そう言って陽翔は、百子の口の端に、首筋にゆっくりと舌を這わせながら、彼女の腰のくびれをそっとなぞる。不埒な大きな手は次第に降りていき、太ももと臀部をゆっくりと往復し始め、反対の手は百子のブラウスのボタンを、慣れた手つきで外していた。
「百子、ここにも零してたんだな」
揶揄うように告げる陽翔は、残り少なくなっているティラミスを指で掬い、わざと百子の胸の上に落とす。百子はクリームの冷たい感触にびくっと体を震わせ、その振動でクリームが蕾に向かって滑ってしまう。
「ちがっ……ん、やだ……」
百子の抗議の声は、蕾に触れたクリームがぬぐい去ってしまい、代わりに官能を引き出すかのように喘いでしまう。陽翔を見つめる瞳は、既に潤み始めていた。
「ここもきれいにしないとな」
ぴくぴくと震える百子を悠然と目で楽しむと、陽翔はクリームの付いた蕾を丹念に舐め上げた。