ティラミスよりも甘く
「こんなにしちゃって……気持ちよかった?」

彼の食いしばった歯から、低い吐息が漏れて百子の耳朶と脳を甘く撫であげる。彼女は熱杭の先端に触れないように注意しながら、幹のような逞しいそれを愛おしげに両手で包み、そっと上下に動かした。それと並行して彼の悩ましげに紅潮した顔を時折伺い、胸の小さな飾りを泡まみれにした後、指先で飾りを弾いたり摘んだりしていると、まるで低音の楽器を奏でるようだと、百子はひっそりと思いを馳せる。

「おいっ……! 出る、からッ!」

しかしそれは長続きすることもなく、陽翔に肩を掴まれて、百子の両手が中空を彷徨った。その直後にシャワーからお湯を浴びせられ、心も体も、余す所無く彼の瞳の前に晒される。二人の胴体が密着し、彼の逞しい体に包まれ、陽翔の指先が背中を触れるか触れないかのタッチでなぞられる。高い声を上げた百子だが、すぐさま陽翔のひたむきな口づけにそれを蕩けさせる羽目になった。もう片方の手でがっちりと腰を固定されているため、体をよじることはついに叶わなかった。いつの間にか彼の手は太ももを撫でており、段々と上に移動して、僅かな水音と共に閉じられた秘花に触れた。

「ぬるぬるだな。ここもちゃんときれいにしないとな」

耳元で低い声で囁かれ、花芽をするりと撫でられて、百子の体が跳ねる。嬌声は相も変わらず、陽翔の口の中に吸い込まれたままだ。そのためか、秘花を縦にそっとなぞられて、体の奥が潤み、次第に水音が大きくなっていく様を耳が拾ってしまう。陽翔が舌を絡めるものの、それに応える余裕など、小指の先程も無かった。

(お風呂だと響いちゃう……!)

羞恥が膨らむ百子だが、それを膨れ上がった白い波が攫ってしまい、体を跳ねさせて陽翔にしがみつく。何かに縋っていないと、ふわふわと彷徨ったままになると錯覚したのだ。徐々に体の感覚を取り戻しつつある百子だが、陽翔の指が花弁のさらに奥へと進んでしまう。おまけに指を曲げて円を書くように擦るものだから、再び白い波が弾けて攫っていった。
< 7 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop