一輪のバラード
「"スパダリ"?何それ。」
わたしはコンビニで買って来たおにぎりを噛り、同僚の坂口芽衣子に疑問を問い掛けた。
「"スパダリ"ってゆうのは、"スーパーダーリン"の略!高収入でハイスペックで容姿端麗で、、、完璧な男子の事をいうのよ!」
「ふーん。」
「やっぱり結婚するならスパダリでしょ!わたしらも、もう33だし、、、そろそろ結婚しないとヤバいじゃん?」
「まぁ、周りは結婚してる人がほとんどだからねぇ。でも、そんな簡単にスパダリ?とやらなんて男子との出会いなんて無いでしょ。」
わたしはおにぎりの最後の一口を口の中に放り込むと、レジ袋にゴミを入れていった。
「それがね!あるのよ!桃華の知り合いの紹介でスパダリと合コンすることになったの!」
「桃華の紹介?あぁ、、、桃華も理想高いもんねぇ、、、。」
「その合コンが今日あって!」
「あら、良かったね!いってらっしゃい!」
そう言って、わたしは立ち上がりゴミ箱にゴミを捨てに行った。
そのわたしについて来る芽衣子は、「でも、人数があと1人足りないの!だから、ひかりも一緒に来てよ!」と言った。
「えー、わたし?合コンとか面倒くさい。」
「え?!相手はスパダリだよ?!」
「わたしは穏やかに平凡に暮らせればそれでいい。」
そう言って、わたしは断ったが、芽衣子があまりにもしつこい為、仕方なくわたしも一緒にその"スパダリ"との合コンに参加することになってしまったのだ。