年の差幼なじみの私たちの関係が進展する可能性はありますか?~エリート警察官編~
◇◇◇
 私が小学生の頃。隣のおうちには年上のお兄ちゃんがいた。

 背丈が高くて、体格もがっしりとしていたお兄ちゃん。強面な上に無愛想で、周りの小学生たちはお兄ちゃんを「怖い」と言って遠巻きにしていた。

 でも、私は違った。

 お母さん同士が仲良しだったから、よく互いの家を行き来していたのだ。

 だから、私の物心がついてからずっとお兄ちゃんと私はかかわりがある。いや、もしかしたらお兄ちゃん側だともっとかもしれない。

 小学生の私には恋とか愛とか。そういうのわからなくて、『頼りがいのあるお兄ちゃん』という認識だった。

 ただ、私の記憶の中のお兄ちゃんは永遠に中学生のまま。

 お兄ちゃんは遠くの高校に進学すると、親戚の家に引っ越した。以来、疎遠。時々おばさんから近況を聞く程度。

 私が困っていたら、颯爽と現れて助けてくれた。私にとってどんな俳優やアイドルよりもカッコいい存在。

 けど、まさか――十年以上先に再会するなんて。

 誰が予想できるのか。

 これが神さまの悪戯、運命なのか。

 私にはそんなことわからない。

 ただ、私の中にあるドキドキの理由はわかる。

 ――私は彼が好き。

 もちろん、七つも年下の私が恋愛対象になるなんて――思ってないけど。
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