年の差幼なじみの私たちの関係が進展する可能性はありますか?~エリート警察官編~
第1章 助けてくれた人は幼なじみのお兄ちゃんでした
 暑さの残る九月下旬。

 そろそろ涼しくなるかなぁと期待しても、今年の残暑も厳しいと実感してうなだれる。

 店内にはまだクーラーがかかっていて、入って来たお客さんたちがほっとしているのがわかった。

凜伽(りんか)ちゃん、レジお願い」
「はぁい」

 品出しをしていると、店主の三住(みすみ)さんに声をかけられた。

 私は品出しの手を止め、慌ててレジのほうに向かう。

 ここはこぢんまりとした個人書店。最近個人書店の閉店が相次いでいるけど、ここはいつも繁盛している。

 きっと、明確なターゲット層があるからなんだろうけど。

「七千七百円になります」
「これで」

 出されたのは五千円札が一枚と千円札が三枚。

 レジを打ってお釣りを返す。若い女性客は軽く頭を下げて店内を出て行った。

「ごめんねぇ、レジ任せちゃって」
「いえ、大丈夫です」

 アルバイト歴も一年半になると、ある程度のことはできる。それに、頼りにしてもらえるのは嬉しい。
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