初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~

そして、この広いホールに残った徳永くんと私。



「…麻里亜、いつまで泣いてるの?あいつに好きだったって言われて気になり出したの?」

「気になるとかじゃなくて…申し訳なくて…」


ふ…と息を吐いた徳永くんに抱き締められた。

「好きなコに泣かれてると弱いんだって」

「ふふ、そうだったね」

「…で、返事は?」

「返事?」

「…忘れてるの?じゃあもう一回な」


そう言うと、徳永くんは私の正面に立ち、私の頬に優しく手を添えた。

「俺のお嫁さんになってよ、麻里亜」

「私…またあなたを…真宙って…呼んでもいいの…?」

「もちろん。『真宙~』でもいいし『あなた~』でもいいよ。あぁ、そのうち『パパ~』になるかもだけどね」


そう明るく言ってくれるのがまた嬉しくて…涙が溢れちゃう…

「…ん…うん…ありがとう……よろしくお願いします」


「よかった!やっと返事が聞けた…」

真宙に優しく抱き締められると、ほぅ…と安心した様な吐息が聞こえた。

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