初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~


「…ありがとう……私、本当に好きな人と結婚できるんだね…」

「そうだよ、もう麻里亜は自由なんだ」


自由…

ほんとに…自由なんだ…



「嬉しい…!嬉しいよ、真宙!ありがとう!真宙のおかげだよ!」

初めて感じる真の解放感に、嬉しさが爆発しそうだった。


真宙が、泣き笑いする私の涙を指で拭う。

「どんな麻里亜も可愛いけど、やっぱ笑った顔が一番魅力的だな」

「真宙……大好きだよ」

「俺なんて麻里亜の為なら何でもできるくらい愛してるんだからな?」

「私だって、言葉にできないくらい愛してるよ?」

「でも俺の想いのでかさと強さとしつこさには敵わないね」

と、ドヤ顔の真宙にちゅっ、とキスされた。


…そうだよね…

一つの会社を救うって、並大抵の事じゃないもの。
きっと色々と奔走してくれたんだよね…


「ありがとう、麻里亜。俺のプロポーズを受けてくれて。俺、一生大事にするから。麻里亜も、麻里亜の会社も」


「真宙……本当にありがとう。お父さんとお母さんの為にたくさんの事をしてくれたんだよね」

「まぁね、絶っっっ対に麻里亜を誰にも渡したくなかったからさ」

「ふふ、ありがとう。あっ…真宙のご両親は何て仰ってるの?私でいいの?」

「もちろん親は知ってるよ、俺が麻里亜と結婚したいって事。ていうか、麻里亜だから協力してくれたんだ、買収阻止も。…あぁ、麻里亜が栗原製薬の娘だからってワケじゃないよ。両親は麻里亜の事を知ってるし、何より麻里亜とご両親の人柄を気に入ってるからね」

「そうだったの……本当に真宙と徳永薬品さんには頭が上がらないわ」

「いや、さっきも言ったけど、徳永も栗原製薬と繋がることはとてもプラスになるんだよ。だからそこは気にしないでほしいんだ」

「うん…ありがとう。でもちゃんと感謝の気持ちは持ち続けるね」

「ん、ありがとう。…ね、麻里亜。今夜会える?」

「うん、会えるよ」

「俺、今日はホテル泊なんだけど……一緒に泊まれる?」

真宙のまっすぐな想いが目に表れていてドキドキする…


「うん…」

「ありがと……嬉しいよ」


私はまた真宙の腕の中に収まった。


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