初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
運転する真宙と途切れることなくお喋りしていたら、気付けば車は横浜市内のとある閑静な住宅街を走っていた。
「もう着くよ」
「この辺りなの?」
「うん。慣れないと分かりにくいんだけどね。…あ、ここだよ」
真宙がそう言いながら、奥まったエリアの一角にある一軒家の敷地に入ると、数台分ある駐車スペースに車を停めた。
わぁ…ここが真宙のお友達がオーナーシェフをされているという、フレンチのレストランなのね。
看板という看板もなく、道路に面した入口の門にある横長の表札に書いてあるお店の名前に気付かなければ、レストランとは思わず素通りしてしまいそう。