初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
「ふふ、楽しい人だね。私の思い描いてたフレンチのシェフのイメージと違ってた」

「だろ?だから1人でも気軽に来れるんだ。また一緒に来ような」

「うん。…ふふふ」

「ん?なに?」

「ううん、真宙と次の約束ができるのが嬉しくて」

「そっか、そうだな。ってゆーか結婚したら約束どころか毎日一緒にいられるんだよ?…って、そうだよな…毎日一緒なんだよな……うわ…何だろ、急に嬉しさが込み上げてきた…」

真宙が両手で口元を覆ってる。
ふふ、大人の男性なのにかわいい仕草で、思わずきゅんとしちゃった。


「そうだね。嬉しくて幸せで、私もまだ夢の中にいるような気分なの」

「…麻里亜、夢じゃないよ、これは現実なんだ。俺達は結婚して、幸せになるんだよ」

「ん……そうだね…嬉しい…」

少しずつ…ゆっくりと現実味を感じてくると、それと同時に涙腺が緩くなる。
そんな私に、真宙は優しく「俺も嬉しい」って言いながらハンカチを出してくれた。




「…そろそろ行こうか」
「うん」


真宙が会計を済ませると「真宙、麻里亜さん、また来てな!」と春日井さんがキッチンから出てきてくれたので、ご挨拶をしてお店を後にした。

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