初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
「わぁ…素敵…」
ラピスニューグランドホテル横浜のエントランスに入ると、横浜らしい洋風な外観と同じ雰囲気を醸し出すインテリアに心が踊る。
ワクワクしながらエレベーターに乗ると、真宙に案内されたのは上層階にある広めのお部屋だった。
…これはスイートと呼ばれるところでは…?
と、慣れない高級感に少しそわそわしながらおしゃれなバゲージラックに荷物を置くと、いきなり後ろから抱き締められた。
ひゃあっ…
「ま…ひろ?」
…こんなことをされるのはもちろん初めてで、嬉しくてドキドキする。
「あー…すっごい幸せでヤバい…俺…」
「うふふ……うん、私も…」
真宙の頭が私の肩口にあって、首に息がかかる度に胸がドキドキきゅうきゅうと苦しくなる。
くるっと体を反転させられると、真宙の手が頬に触れ、顔を上に向けられた。
「麻里亜…」
『幸せ』と言うのにどこか苦しそうにも見える真宙に胸がぎゅっと締め付けられると、なぜか身体の奥もそれに呼応する様に甘くさざめいた。
あぁ…この目は…
…真宙に抱かれたあの夜を思い出す…
私…また「真宙」って呼んで…
愛し合いたかったの…
あぁ…あの官能を…
真宙を…感じたい…
「麻里亜…今俺に抱かれたいって思ってるでしょ」
「っ!そっそんなことっ!」
何でバレちゃったの!?
もしかして顔に出ちゃってた!?
「ふ…素直になって?……思ってるでしょ?」
真宙のその目に…嘘はつけない…
「うん…」
でも…女性がそんなこと思うなんてはしたなくて…恥ずかしくて…目線を外した。
「俺もだよ。すぐにでも麻里亜を抱きたくてたまらないんだ……だから同じ気持ちでいてくれてるのが嬉しいよ」
優しい声で言う真宙の目を見たら、さっきよりもドキドキして…また身体の奥がきゅうっと疼いた。
男らしい色気を湛えた目にゾクゾクしていると、トン、と体が壁に押し付けられた。
「麻里亜…好きだよ……もう絶対に離さない」
私の頬に添えられた真宙の手のひらが後頭部へ移り、その頭皮を這う指先の感触にゾクリとした。
「…ま…ひろ……私も…好き…」
目を見て愛する人の名を呼ぶと、真宙の唇が押し当てられ、すぐに舌が入り込んできた。
あぁ…私を強く求めるその熱に…溺れてしまう…