初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
ひとしきり愛し合った後、幸せな疲労を感じながらベッドでまどろんでいた。
こうしてお互いの体温を間近で感じられるのって、なんて幸せなんだろう…
とろとろと眠りに落ちそうな時、真宙が私の手を優しく握った。
「麻里亜……もう俺を置いてどこにも行くなよ…」
「うん…あの時は本当にごめんなさい…私、勘違いして……傷つくのが怖くて…」
「いや、謝らないで。麻里亜は悪くないし。てゆーか、その時点で俺が傷つけてたよな…ごめん…」
「ううん、私の勝手な誤解だってわかったから…だから全然平気だよ。それに…心から愛されて抱かれて……あの日から強くなった気がするの」
ふふっ、て笑ったら眠気も覚めてきちゃった。
「麻里亜…ありがと。本当に優しくて強いよな、麻里亜は。…そーいえば、あの時も頑張って虫を取ってたもんな、苦手そうなのに」
「何の事?」
「高校の入学式の次の日さ、桜並木の下で女子の制服に付いてた虫を取ってただろ?短い木の枝でさ」
「あー…そんなこともあったね……って、何でそれを知ってるの?見られてたの?…もしかして目立ってた?」
昔の話だけど、少し気になっちゃった。
「さぁね、何でかな」
「えっ、何で?教えて?目立ってたの?」
「じゃあキスしてくれたら教える」
「…唇に?」
「ん?どこでもいいけど?ほっぺでも体でも」
「…どこがいい?」
「さぁね、どこだと思う?」
ニヤニヤして、真宙がちょっと意地悪になった。
そっちがそれなら…
「…じゃあしません」
「えっ?キスしてくれないの?」
「うん、しません」
「理由も聞かなくていいの?」
「うん」
「…や!ちょっと待って!」
ガバッと起き上がって私を見たその顔は、少し焦ってるみたいで。
かわいい、なんて言ったら失礼かな。ふふっ
「ごめん、キスしたい。麻里亜…してもいい?」
そんなことを言う真宙がかわいくて胸がきゅんきゅん疼いたものだから…
「大好き…真宙」
体を起こして私から唇にキスしちゃった。
「麻里亜……ヤっバい、可愛すぎてまた抱きたいんだけど…」
「じゃあ教えて?何で知ってたの?」
その問いに、真宙は穏やかな笑顔を見せて話し始めた。