初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~

「麻里亜……すっごい綺麗で……可愛いすぎて…目が離せないんだけど…」

「真宙こそすごく素敵で、隣にいると私なんて見劣りしちゃうよ」


晴れて澄み渡る6月の青空と、生き生きとした生命力を感じる緑の芝生に、白のタキシードを着た真宙が映えて、本当に王子様みたいでうっとりしてしまう。


「何を言ってるんだか、俺なんか誰も見ないって。あー…やっぱり仲間は呼ばなきゃよかった。こんな綺麗な麻里亜をあいつらに見せたくないよ、勿体ない。…ていうかマジで誰にも見せたくないんだけど」

「あはっ、真宙ってばまだ言ってる」

冗談の様にも聞こえるけど、このトーンの感じは8割が本音かな。


「うふふ、私がその『誰にも見せたくない』っていう言葉を聞いたの、真宙さんで三人目ですよ」

と話すのは、結婚式と披露宴の担当をして下さっている、この結婚式場のスタッフの北見(きたみ)さん。


「えっ、他にもこんな事を言う方がいられたんですか?」

「こんな事って麻里亜…ひどいなぁ、本気で見せたくないのに」


「えぇ、他のお二方とも、奥様をこよなく愛する素敵な旦那様なんですよ。もちろん奥様もとっても素敵な方で。あ!そうそう、それを最初に聞いたのが、真宙さんと麻里亜さんがウチを選んで下さったきっかけの、あの番組にも出てらした方なんですよ。うふふ」

「あぁ、あの方が………確かにあの溺愛っぷりなら言いそうですよね、ふふっ」

「ほら!麻里亜、俺もとっても素敵な奥さんをこよなく愛する旦那だからね?」

「うん、それはわかってる」

嬉しくてニコッて笑ったら抱き締められちゃった。

「あー可愛いー!やっぱ見せたくねー!」


それを見た北見さんやスタッフさんに「見てるだけで私達も幸せになっちゃいます」って笑われちゃった。ふふっ

< 122 / 138 >

この作品をシェア

pagetop