初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
結局のところ─
私の両親の離婚話と、母と正幸おじさんの会社立ち上げの話はなくなった。

私たち栗原製薬もヒラクボファーマの皆さんも、平久保社長の思惑に長年振り回されてきたが、真宙と徳永薬品のおかげで全てが好転した。


そして、退職者が相次ぐ事を危惧していたヒラクボファーマだけど、清志さんが社長に就任し、晶人さんが副社長として他の役員とも協力しながら経営の建て直しを図ると、退職者が出るどころか今年は就職希望者が増えたという。


今では栗原製薬もヒラクボファーマとは昔のようないい関係を築けており、たまに清志さんや晶人さんが顔を出しに来てくれている。

その時は私が最初にご案内するのだけど、特に晶人さんが来られた時なんて真宙はおもしろくないみたいで、その日の夜はおうちで拗ねたり甘えてきたり…ふふ。

「ヤキモチ?」って聞くと「…ん…」って抱き締めながら素直に言ってくれるのがかわいくて、真宙が副社長さんていうすごい人なことを忘れちゃう。

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