初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
続いていく、幸せ
「……ママ、マーリィは、まじょにたべられちゃうの?」
「じゃあ続きを読むわね。…月が満ちる日の夕刻、魔女の屋敷のある深い森の奥に、白馬に乗った一人の騎士がやってきました。……お月様がまんまるになる日の夕方に、魔女の家がある森の奥へ、白馬に乗った騎士が来たの」
「〝はくば〞ってなあに?」
「白いお馬さんよ」
「じゃあ〝きし〞って、このひと?」
絵本の表紙に描かれた騎士の絵を指さして言う娘に「そうよ。騎士は強い人なのよ」と笑顔で答える。
「…騎士は鳥かごの中にいる小鳥の姿のマーリィに言いました。『私は隣の国からマーリィ姫を助けに来ました』」
「きしのひと、たすけにきたの?まじょをたおしたの?」
そう質問をする娘に私は笑顔を返し、ゆっくりと絵本を最後まで読みあげた。