初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
そして何事もなかった様に家に戻り、その夜お母さんと私は、お父さんの待つ実家へ赴いた。
「お父さん、無事に卒業しました」
「あぁ、卒業おめでとう。卒業式に行けなくて悪かったね。ところで麻里亜、あの話は覚えているかい?」
「…はい。わかっています」
「大学は女子寮だからまぁ大丈夫だろうが…晶人くんに顔向けできない様な事はするんじゃないぞ。…あぁ、許嫁とはいえまだ嫁入り前だ、結婚するまでは晶人くんとも二人で会うことも慎むようにな。…では、大学に入って落ち着いた頃に晶人くんと顔合わせをしようか」
「…はい」
「しかしもう顔合わせだなんて…許嫁として結婚が決まっているのなら就職してからでもいいのに、あちらは何を急いでいるのか…ハァ」
と、ため息をつくお父さんの言う様に、実は私はまだ晶人さんと会ったことがない。
それは「高校生の内はまだ早い」と、お父さんが反対していたから。
さっきの言葉にもあるように、お父さんはあまり早くから私と晶人さんを会わせたくないみたい。
それより、顔向けできない様な事って、つまり恋人を作るな、きれいな身体でいろ、ということよね。
晶人さんと二人で会うなと言ってくれる事はありがたいけど、好きな人とお付き合いもできないなんて…
これって何時代の話なんだろう。
でも反抗できない私も私。
はぁ…
高校を卒業したばかりなのに、未来に希望と楽しみが全く見いだせず、心の中で大きなため息をついた。
「お父さん、無事に卒業しました」
「あぁ、卒業おめでとう。卒業式に行けなくて悪かったね。ところで麻里亜、あの話は覚えているかい?」
「…はい。わかっています」
「大学は女子寮だからまぁ大丈夫だろうが…晶人くんに顔向けできない様な事はするんじゃないぞ。…あぁ、許嫁とはいえまだ嫁入り前だ、結婚するまでは晶人くんとも二人で会うことも慎むようにな。…では、大学に入って落ち着いた頃に晶人くんと顔合わせをしようか」
「…はい」
「しかしもう顔合わせだなんて…許嫁として結婚が決まっているのなら就職してからでもいいのに、あちらは何を急いでいるのか…ハァ」
と、ため息をつくお父さんの言う様に、実は私はまだ晶人さんと会ったことがない。
それは「高校生の内はまだ早い」と、お父さんが反対していたから。
さっきの言葉にもあるように、お父さんはあまり早くから私と晶人さんを会わせたくないみたい。
それより、顔向けできない様な事って、つまり恋人を作るな、きれいな身体でいろ、ということよね。
晶人さんと二人で会うなと言ってくれる事はありがたいけど、好きな人とお付き合いもできないなんて…
これって何時代の話なんだろう。
でも反抗できない私も私。
はぁ…
高校を卒業したばかりなのに、未来に希望と楽しみが全く見いだせず、心の中で大きなため息をついた。