初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
生徒玄関にはいないから…もう駅に向かってるかも。
少し焦りつつ駅方面に駆け足で向かっていると……いた!
よかった……!
「栗原さんっ!」
見つけたことが嬉しすぎて、後先考えずに声をかけちゃった。
「え?…え、徳永くん?どうしたの?」
…すごいびっくりしてる。
はは、目をぱちくりさせてるの、可愛いな。
「どうした?って、帰るんだけど」
「だって、あれ?一人?お友達とかいっぱいいたよね?」
え?
「何で知ってるの?」
「…だって、徳永くん目立ってたから、人集りができてて。人気者だなぁって思って見てた。ふふっ」
なんだ、目立ってただけか。
「…そっか。あ、一緒に帰ろ」
「え、お友達はいいの?」
「うん。もう解散したから。じゃ一緒に帰ろ」
少しでも一緒にいたい。
できれば告白もしたいし。
「あ、うん…」
…あれ?もしかして嫌なのかな…
「何か僕がいるの迷惑そうなんだけど」
マジで嫌がられてたらショックだから、ちょっと冗談めかして不満げに言ってみる。
「そんなことないよ!…ただ男の子と話すのが慣れてなくて、面白い話とかもできないからつまんないだろうなって…」
慌ててそう言ってくれる栗原さんが愛しくて堪らない。
てゆーか良かったぁ…嫌われてるのかと思ってマジで焦った。
「そんなこと気にしなくていいのに。この前、栗原さんと話したの、僕は楽しかったよ」
マジで俺はどんな話でも栗原さんとなら楽しいよ。
心が安らいでもっともっと話したくなるんだ。
「あ、ありがとう。…徳永くんが人気あるの、わかるなぁ」
その優しい笑顔にすげぇ癒されるんだよな。
あー…それ、俺だけのものにしたい…
てゆーか、そう思ってくれてるってことは、本当に嫌われてはなさそうだよな。ホッ
「そんなことないと思うけど、その言葉は嬉しいな。ありがとう」
「いえいえ…」