初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
──お父さんが、おじいちゃんから栗原製薬の社長職を引き継いだ直後に、会社の存続が危ぶまれる程のトラブルが起きたのだけど、それを収める為に尽力してくれたのが、ヒラクボファーマの前の社長、平久保 善次郎(ぜんじろう)さんだった。
実は、善次郎さんとおじいちゃんは同郷の昔馴染みだそうで、学生の頃から友人として、また良きライバルとして切磋琢磨してきた仲だといい、そのトラブルが解決した後も以前と変わらず良い関係が築けていたそう。
しかし、その安定した関係は、善次郎さんとおじいちゃんが他界すると変わっていった。
ヒラクボファーマの社長が善次郎さんの息子である 平久保 倫靖(のりやす) さんに代替わりすると、これまで対等に関わってきた両社が将来的に業務提携するという意向に変わり、しかもそれがいつの間にか晶人さんと私の結婚話にまで発展していたの。
倫靖さん曰く「トラブルを解決させた見返りはあって然るべき」だと…
その許嫁の話を聞いた時は信じられなくて「このご時世に政略結婚なんて!」と父に食い下がったのだけど、「もう決まったことだから」と一蹴されてしまったんだ。
詳しい事はわからないけど、私が結婚を拒否すれば、栗原製薬の全社員が路頭に迷う事になるのだという。
高校生になったばかりなのに、既に知らない人との結婚が決まっていて、将来の夢どころか恋愛すら自由にできない私はまるで、鳥かごの中の小鳥──
実は、善次郎さんとおじいちゃんは同郷の昔馴染みだそうで、学生の頃から友人として、また良きライバルとして切磋琢磨してきた仲だといい、そのトラブルが解決した後も以前と変わらず良い関係が築けていたそう。
しかし、その安定した関係は、善次郎さんとおじいちゃんが他界すると変わっていった。
ヒラクボファーマの社長が善次郎さんの息子である 平久保 倫靖(のりやす) さんに代替わりすると、これまで対等に関わってきた両社が将来的に業務提携するという意向に変わり、しかもそれがいつの間にか晶人さんと私の結婚話にまで発展していたの。
倫靖さん曰く「トラブルを解決させた見返りはあって然るべき」だと…
その許嫁の話を聞いた時は信じられなくて「このご時世に政略結婚なんて!」と父に食い下がったのだけど、「もう決まったことだから」と一蹴されてしまったんだ。
詳しい事はわからないけど、私が結婚を拒否すれば、栗原製薬の全社員が路頭に迷う事になるのだという。
高校生になったばかりなのに、既に知らない人との結婚が決まっていて、将来の夢どころか恋愛すら自由にできない私はまるで、鳥かごの中の小鳥──