初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
──これが、私が徳永くんを好きになったきっかけ。
いやはや何ともベタ過ぎて笑っちゃうよね。
でも、男子に苦手意識のある私にとって、颯爽と現れて私を助けてくれたこの徳永くんがキラキラと輝く王子様に見えて、そしてそれは私の大好きな本のお話に登場する白馬の騎士にも思えたの。
だって、その本の挿し絵にある騎士の雰囲気が徳永くんにとっても似ていたから。
センターパートの柔らかいブラウンの前髪が爽やかな甘めフェイスに似合っていて、更に、キュートな二重なのに笑うと男らしさも見えて…
私、この時に初めて男の人に対してドキドキしたんだ。
その時の〝白馬の騎士〞が後に『同じ学年の徳永真宙くん』だと知ってからは、校内で見かけると密かに目で追うようになって、見る度に彼の人の良さをどんどん知ったり、しかも〝徳永薬品の御曹司〞という立場の気苦労を全く見せていない所もすごい!と思い始めたら、ますます好きになっていったんだ。
…でも、その想いは誰も知らない。
お母さんにも友達にも言ってない。
誰にも知られなくていい。
もちろん徳永くんにも。
だって、所詮報われない恋だから…
このままそっと人知れず穏やかに片想いして、きれいな想い出にしたい。
そう思っていたのに──