初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
はぁ…
とうとう…
とうとう…この日が来てしまった…
ため息混じりでいつもの仕事着であるオフィススーツに着替える準備をしていると、私の部屋のドアをノックする音がした。
「はい……あ、お父さん…」
「いよいよこの日が来たな。…麻里亜、今日はこれを着て行きなさい」
そう言う父の手には、ハンガーにかかった清楚で上品な紺色の長袖ワンピース。
「スーツじゃなくて?」
「あぁ。…今日は麻里亜にとっても大事な日になるだろう。…だからこれを着て欲しいんだ」
大事な日…
そっか、婚約発表だものね…
「これ、お父さんが選んでくれたの?」
「いや……実はお父さんの知り合いが麻里亜にとプレゼントしてくれたんだよ。とても信頼している方でね、麻里亜のことも良く思って下さっているんだ」
「そうなの……わかった、それなら着させてもらうね」
ワンピースを受け取ると、お父さんは「それ、私も麻里亜に似合うと思っているよ」と優しく微笑み、私の部屋を離れた。
その背中を見送った後、部屋のドアを閉めるとクローゼットの姿見へと急いだ。
だって、シンプルなのに見れば見るほど本当にとっても素敵なんだもの、このワンピース。だから早く袖を通したくて。
…着る時にちらっと見えたワンピースの首もとのタグには【ink:clear】(インク クリア)の文字。
なるほど、ここのお洋服ならとても着心地がいいのも頷ける。
それに、鏡を見て、自分でも似合っていると感じたの。
後でお父さんに、これを下さった方がどなたなのか教えてもらおう。
きちんとお礼が言いたいくらい、本当に素敵なワンピースなんだもの。
とうとう…
とうとう…この日が来てしまった…
ため息混じりでいつもの仕事着であるオフィススーツに着替える準備をしていると、私の部屋のドアをノックする音がした。
「はい……あ、お父さん…」
「いよいよこの日が来たな。…麻里亜、今日はこれを着て行きなさい」
そう言う父の手には、ハンガーにかかった清楚で上品な紺色の長袖ワンピース。
「スーツじゃなくて?」
「あぁ。…今日は麻里亜にとっても大事な日になるだろう。…だからこれを着て欲しいんだ」
大事な日…
そっか、婚約発表だものね…
「これ、お父さんが選んでくれたの?」
「いや……実はお父さんの知り合いが麻里亜にとプレゼントしてくれたんだよ。とても信頼している方でね、麻里亜のことも良く思って下さっているんだ」
「そうなの……わかった、それなら着させてもらうね」
ワンピースを受け取ると、お父さんは「それ、私も麻里亜に似合うと思っているよ」と優しく微笑み、私の部屋を離れた。
その背中を見送った後、部屋のドアを閉めるとクローゼットの姿見へと急いだ。
だって、シンプルなのに見れば見るほど本当にとっても素敵なんだもの、このワンピース。だから早く袖を通したくて。
…着る時にちらっと見えたワンピースの首もとのタグには【ink:clear】(インク クリア)の文字。
なるほど、ここのお洋服ならとても着心地がいいのも頷ける。
それに、鏡を見て、自分でも似合っていると感じたの。
後でお父さんに、これを下さった方がどなたなのか教えてもらおう。
きちんとお礼が言いたいくらい、本当に素敵なワンピースなんだもの。