想っていたのは私だけでした

17

「どうやって侵入するのですか、デー」

「別に堂々と正面からだよ。ほら、ここに招待状はある」

懐からカードを取り出し入り口の男に渡す
何事となく無事に中へと入ることができた。

「こちらへどうぞ」

髪をオールバックに整え正装した男に連れられ、個室へと案内された

「アメ、違法な物がたくさんありそうでわくわくするな。ここはvip席のようだな」

「デー、偽造の招待状ですよね?」

「ふぅむ、なんともいえないな」

小さな室内にはソファーが置いてあり、窓から会場を見下ろせる造りだった

魔法が施されたカードがあり、気に入った商品があれば金額を記入すると会場に伝わる仕組みだ

魔物の血液から作った身体強化剤、毒物、
魔物の瞳、から始まり、次は宝石類

人間は後半か
 デーはソファーの肘かけに頬をつきじっと待つ

アメは食い入るように今か今かと目を凝らした

 「アメ、それらしき人物が出て来たら声をかけろ。少し退屈だ。休む」

デーは目を閉じていた
部屋に焚かれれた香の匂いが鼻をつく
生暖かい室温のせいか気だるけだった

食い入るように見ていたアメは出て来た人物を見て立ち上がる

「デー!!」

「なんだ、彼らしき者が現れたか?
はぁ!!どうなってる?」

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