Depend on…
井原の言葉の意味が分からず困惑する椎名。
井原は真っ直ぐに椎名の目を見つめている。
「……どういう意味だよ」
「そのまんまの意味だ。」
「山添樹がどういう人物か」という質問ならば愚問だ。
彼女に関しては身体的情報、友人関係、住所、学歴、本籍地に至るまで書類から得られる情報なら全て把握している。
そんな椎名の考えを見抜いたように井原は鼻で笑う。
「別に彼女のスリーサイズを知ってるかって聞いてる訳じゃないぞ。」
椎名が何も答えないことを見ると話を続けた。
「お前、自分の前、誰が彼女のパートナーだったか知ってるか?」
「……誰って、金城さんっていう――…」
「違う」
「!」
「奴じゃない。
奴の後、お前がパートナーになるまでに6人が彼女のパートナーになり、ERSAを去った。」
椎名は自分の心臓が強く脈打つのを感じた……