Depend on…
「じゃあ、僕が代わりに開けてあげる。」
そう言いながら既に小包の封に手を掛ける。
「あ―――!」
樹がそれを止めるように手を伸ばしたとき、何やら異様な気配を小包から感じた椎名は樹を庇うように後ろに飛びのいた。
パァアン―――……!
「大阪ぁッ!!」
まるで巨大な風船が割れるような音と坂東の叫び声――
少し遅れて警報が鳴り出した。
「――……うっ……」
硝煙が薄れ、やっと横たわる大阪が見えるようになる頃、樹も我に還り、椎名の腕を押し退けて立ち上がる。
「―――!!」
一瞬、言葉を失った樹だったがすぐに気を持ち直し、大阪に駆け寄った。
「大阪さん!しっかりして!
すぐに救急車呼びます!」
声を掛けながら、手際よく止血の作業をしていく。
血まみれで大阪の手がどうなってしまったのかよく見えない。
しかし――……
椎名は見た。
大阪を見たときの樹の顔を……
あれは「しまった」という顔だ。
予定が狂ったときの顔と言ってもいい。
樹のどんな予定が狂ったのか……
「次はお前の番だ」
井原の言葉が椎名の脳裏に蘇るのだった――