Depend on…


「犯人は……!?

犯人は見つかったんですか!?」


「待て!落ち着け!

こっちはまだ現場検証中だ!

少し落ち着け!」


拳銃の携帯命令が出たという情報は入っていない。


(この人もしかして、常に持ち歩いてるのか……!?)


だとしたら危険だ。


もちろん規定違反でもある。


「……!」


椎名に気付いた斉藤が視線を向けた。


「アンタ……」


「椎名です。」


小さく敬礼をして見せると斉藤は「あぁ」と頷いた。


「悪いが自己紹介は後だ。」


そう言って視線を落とす。


腕の中には俯いた樹がいる。


「……落ち着いたか?」


無言で頷く樹。
顔色はまだ良くない。


「何があったか順番に話してくれ。」


「あたし宛に小包が届いて……それを開けようとした大阪さんが……!

どうしよう……あたしのせいだ……!」


「!!!」


樹の言葉を聞いた途端、椎名は自分の心臓が強く脈打つのを感じた。


今のはどういう意味だ――?
< 76 / 85 >

この作品をシェア

pagetop