Depend on…
「何を調べるかは……」
「分かってますよ。バスルームのブレーカで、女性の一人暮らしとくれば隠しカメラと相場は決まってます。」
「さすがッ」と茶化す樹を無視してブレーカのカバーを開ける。
「隠しカメラ……!?」
樹の横で真山が青い顔をしている。
バスルームに隠しカメラが仕掛けられているかもしれないのだから無理もない。
そんな真山の体を支えるようにして樹は微笑んだ。
「大丈夫。おそらく隠しカメラは仕掛けられていません。」
「ね?しぃちゃん」と言う声に椎名は頷いた。
「隠しカメラはありません。
……ただ、仕掛けられていた形跡はあります。」
「そんな……!」
安心しかけた真山の表情が再び曇る。
樹に口パクで「バカッ」と一喝され、椎名は仕方なく黙る。
「大丈夫ですよ。
私の考えでは、隠しカメラが撤去されたのは、仕掛けられたその日のうちのはずですから。」
樹の笑みに真山はやっと安心出来たのか、肩の力が抜けるのが分かった。
「真山さん、エアコン工事をしたその日、何がありましたか?」
「……近所に不審者がうろついていて……」
「そうです。」
樹が‘にっ’と笑った。