拾いました。
すぱこーんっ

さらさらとした綺麗な髪が大きく揺れる程度に叩き、姑かと問いたくなる声色で発声。


「緋刻、起きて。そんでまた何で服着てないのよ」


もぞもぞと動きながら、寝起きの声が返ってくる。


「うーん……。え……?服とかいつも着てなかったし、落ち着かないんだもん……だから脱いだ」


野生的過ぎるわ。


「と、とりあえず理由は分かった。けど、もう一つさ」

「…?」


まだ、ぼーっとした顔のまま見つめる緋刻。


「何故、私と同じベッドで寝てるのかな?」

「え。」

「え。」


同時に固まる二人。


「……だめなの?」

「だめでしょうよ。」


本当にだめなの? という顔をする緋刻。


「えー……」

「『えー……』じゃない。」

「ぶうー……」

「可愛い顔してもだめっ!」


まだ納得してないよ、と言いたそうな緋刻は唸っている。だけど、お互いに一通り言い終えたと思った私。ベッドから降りようとした瞬間に。


「……華留が、可愛すぎるのがいけないんだよ?」


突然、訳の分からないことを言いった。
< 39 / 56 >

この作品をシェア

pagetop