生徒会長サマ

体育祭

「うわ~、すっごいな~」



私は体育会一色い染まったグラウンドを見渡す。

となりでは幼馴染みである芝田澄流(すばる)が声を上げている。



「すごくね?遥華(はるか)。今年は3色どこが勝つかな~?」




うるさいほど大きな声の澄流を放って、私は 運営で忙しそうにしている生徒会のほうに足を、進めた。

私は後輩である富士原伊月(ふじわらいづき)に近づく。



「やっほ伊月くん、生徒会長は大変そうだね!」



そう言うと首をかしげる彼。



「生徒会長は静夜(せいや)っすよ?はる先輩」

「へ?」



伊月くんの口から出てきたのは 問題児の名前だった。



「なんなら今からアイツのこと呼びます?」

「へ?」



私が口を 開けてあんぐりとしているとイ伊月くんがマイクを持つ。



「副会長の伊月です。至急、生徒会長は生徒会用テントに来い」



思いっきりマイクを置く伊月くん。

最初は丁寧だったのに急に雑。

なんて思っていると静夜くんが現われる。
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