No Title

予感









「あれ、深咲どこ行くの?」

「ちょっとフラフラしてくる」

「またー?いってらっしゃい」

「自主練終わるまでに帰ってくるから!いってきまーす」

「はいよー」



放課後、体育館。
木曜日は自主練の日だから、わたしの仕事はほとんどない。

男子バスケ部のマネージャーを初めて1年半、2年生になってから適度に息抜きをする、を覚えてからは毎週木曜日のわたしはいつもより自由だ。


何より今日は天気がいい。
天気のいい木曜日のいく場所は決まっている。

体育館を出て、渡り廊下をとおる。
グラウンドではサッカー部が練習をしていて、西校舎の上からは吹奏楽部の演奏が聞こえる。


校舎をまっすぐ突き進んで角、東校舎の階段を1階からのぼっていく。
4階まである校舎の階段は本当に嫌いだけど、今日の足取りは軽い。


四階まで上りきって、さらに上を行く。
普段空いていない屋上は、なぜか木曜日だけ空いているから。



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