先生〜あたしに愛を教えてくれた人〜
「「お願いしまーす。」」
試合が始まり、みんな真剣にボールを追った。
「美里っ!!!」
あたしにボールがまわってきた。
ドリブルして近くにいた菜由にパスしようとしたとき―――。
ドンッッ
「ファウル!!!」
あたしからボールを奪おうとした相手チームの女の子があたしを押した。
その衝撃で転んでしまったあたしを見て慌てて
「ごっごめんなさい。つい力が入っちゃって……。」
「ううん、大丈夫だから。」
「本当にごめんね…???」
あたしはその子に笑ってみせた。
「美里、大丈夫???」
菜由が心配そうに聞いてきた。
「うん。」
そう言って立とうとしたその時―――。