スキー教室なんて行きたくない! 風邪をひいてサボると決めたわたしの奮闘記!
ミケのおかげで、なんとかいい感じに風邪をひけそう。そう思ったのに、全くの平熱だった。
あんなに寒い思いをしたのに。わたしってどれだけ丈夫なの!?
「ミケをカイロになんてするんじゃなかった! ミケ、あなたいい感じに風邪をひかせてくれるんじゃなかったの!?」
「ニャー」
抗議するけど、ミケは知らないよって感じで声をあげる。
うっ、そうだね。わたしが勝手にそう思っただけだったね。ごめんなさい。
けどまずい。これじゃ、風邪ひいて休むなんて無理だよ!
困っていると、部屋の外からお母さんの声が聞こえてきた。
「有紗ー! いつまで寝てるの。いい加減起きなさーい! 今日はスキー教室があるんでしょう」
わわっ! とりあえず、早く服を着よう。
パパッと着たところで部屋の扉が空いて、お母さんの登場。
その瞬間、わたしの頭脳はフル回転。ここで元気な姿を見せたら、いよいよサボれなくなる。それだけは、なんとしても阻止しなければ!
「ゴホッゴホッ! お……お母さん。なんか体がダルくて寒気がして、熱もあるみたい」
こうなったら最後の手段、仮病だ。目覚めよ、わたしの中に眠る女優魂。アカデミー賞ものの演技で、風邪をひいたふりをするんだ。
「あら、そうなの? 熱があるって、どのくらい?」
「ギクッ! こ、これから測るところ」
まずい。いくらアカデミー賞ものの演技をしたって、体温計はごまかせない。
とりあえず、お母さんは朝ごはんの準備があるでしょって言って、わたしが熱を測っている間、部屋を出てもらう。けどこんなの時間稼ぎにしかならない。
体温をはかってバッチリ平熱なのを見せたら、こんな嘘すぐにバレちゃう。なんとかして、熱を高くしなきゃ。
って、そんなのできたら苦労しないよ。どどど、どうしよう!
「ニャーニャーニャー」
「ミケ、ごめん。わたし、今すっごく大事なこと考えてるの。後にしてくれないかな?」
ミケには悪いけど、構ってアピールも今はダメなの。
なのにミケは、ゴロゴロとわたしに擦り寄ってくる。
暖かくて気持ちよくて、これはこれで大きな癒しになるんだけど、こんなことしてる場合じゃないんだよね。
「ん? 待てよ……?」
ミケに擦り寄られながら、わたしにある考えがひらめいた。
〜〜〜〜
「38度。ほら、しっかり熱があるでしょ。ゴホッゴホッ!」
わざとらしく咳をしながら、38度と表示された体温計を、お母さんに見せる。
「あら、本当ね。仕方ないから、今日は学校はお休みね」
やったー!
思わずバンザイしそうになるけど、今のわたしは病人だ。グッと堪えて、大人しく布団の中に入っていく。
お母さんが部屋から出ていったところで、またもミケがやってきた。
「ありがとう、ミケ。ミケの体温が高いおかげで、なんとかなったよ」
そう。実はさっきお母さんに見せた体温計の数値は、わたしじゃなくてミケのものなの。
猫の体温は、人間よりもずっと高い。そんなミケに代わりに測ってもらったら、見事に学校を休むくらい高い熱のできあがりってわけ。
いやー、我ながらよくぞ咄嗟に思いついたよ。
「ニャーニャーニャー!」
「えっ、なに。卑怯なことするなって? ごめん。わたしだって、本当はやっちゃダメだってわかってるよ」
仮病もズル休みも、本当はいけないこと。今回はどうしてもどうしても嫌だから悪魔に魂を売ったけど、こんなことは二度としません。
今回はなんとかなったけど、体温計がミケ頼りだといつかお母さんにバレるかもしれないし、『寒くて風邪をひこう大作戦!』は、今度こそ凍死しちゃうかもしれないからね。
これを読んでるみんなも、マネしちゃダメ。
特に冬の寒い日に窓を開けて寝るのは、真剣に命が危ないから。普通は猫ちゃんを抱っこしたくらいじゃどうにもならないし、猫ちゃんだって凍死や風邪をひく危険があるんだからね。
死にたくなかったら、絶対にやらないように!
あんなに寒い思いをしたのに。わたしってどれだけ丈夫なの!?
「ミケをカイロになんてするんじゃなかった! ミケ、あなたいい感じに風邪をひかせてくれるんじゃなかったの!?」
「ニャー」
抗議するけど、ミケは知らないよって感じで声をあげる。
うっ、そうだね。わたしが勝手にそう思っただけだったね。ごめんなさい。
けどまずい。これじゃ、風邪ひいて休むなんて無理だよ!
困っていると、部屋の外からお母さんの声が聞こえてきた。
「有紗ー! いつまで寝てるの。いい加減起きなさーい! 今日はスキー教室があるんでしょう」
わわっ! とりあえず、早く服を着よう。
パパッと着たところで部屋の扉が空いて、お母さんの登場。
その瞬間、わたしの頭脳はフル回転。ここで元気な姿を見せたら、いよいよサボれなくなる。それだけは、なんとしても阻止しなければ!
「ゴホッゴホッ! お……お母さん。なんか体がダルくて寒気がして、熱もあるみたい」
こうなったら最後の手段、仮病だ。目覚めよ、わたしの中に眠る女優魂。アカデミー賞ものの演技で、風邪をひいたふりをするんだ。
「あら、そうなの? 熱があるって、どのくらい?」
「ギクッ! こ、これから測るところ」
まずい。いくらアカデミー賞ものの演技をしたって、体温計はごまかせない。
とりあえず、お母さんは朝ごはんの準備があるでしょって言って、わたしが熱を測っている間、部屋を出てもらう。けどこんなの時間稼ぎにしかならない。
体温をはかってバッチリ平熱なのを見せたら、こんな嘘すぐにバレちゃう。なんとかして、熱を高くしなきゃ。
って、そんなのできたら苦労しないよ。どどど、どうしよう!
「ニャーニャーニャー」
「ミケ、ごめん。わたし、今すっごく大事なこと考えてるの。後にしてくれないかな?」
ミケには悪いけど、構ってアピールも今はダメなの。
なのにミケは、ゴロゴロとわたしに擦り寄ってくる。
暖かくて気持ちよくて、これはこれで大きな癒しになるんだけど、こんなことしてる場合じゃないんだよね。
「ん? 待てよ……?」
ミケに擦り寄られながら、わたしにある考えがひらめいた。
〜〜〜〜
「38度。ほら、しっかり熱があるでしょ。ゴホッゴホッ!」
わざとらしく咳をしながら、38度と表示された体温計を、お母さんに見せる。
「あら、本当ね。仕方ないから、今日は学校はお休みね」
やったー!
思わずバンザイしそうになるけど、今のわたしは病人だ。グッと堪えて、大人しく布団の中に入っていく。
お母さんが部屋から出ていったところで、またもミケがやってきた。
「ありがとう、ミケ。ミケの体温が高いおかげで、なんとかなったよ」
そう。実はさっきお母さんに見せた体温計の数値は、わたしじゃなくてミケのものなの。
猫の体温は、人間よりもずっと高い。そんなミケに代わりに測ってもらったら、見事に学校を休むくらい高い熱のできあがりってわけ。
いやー、我ながらよくぞ咄嗟に思いついたよ。
「ニャーニャーニャー!」
「えっ、なに。卑怯なことするなって? ごめん。わたしだって、本当はやっちゃダメだってわかってるよ」
仮病もズル休みも、本当はいけないこと。今回はどうしてもどうしても嫌だから悪魔に魂を売ったけど、こんなことは二度としません。
今回はなんとかなったけど、体温計がミケ頼りだといつかお母さんにバレるかもしれないし、『寒くて風邪をひこう大作戦!』は、今度こそ凍死しちゃうかもしれないからね。
これを読んでるみんなも、マネしちゃダメ。
特に冬の寒い日に窓を開けて寝るのは、真剣に命が危ないから。普通は猫ちゃんを抱っこしたくらいじゃどうにもならないし、猫ちゃんだって凍死や風邪をひく危険があるんだからね。
死にたくなかったら、絶対にやらないように!