あたしの好きな人は先生?!
あたしは気づき始めていた。
そう、あたしは羽坂くんに惹かれているんだ。でも、なんだか唇がムズムズして恥ずかしくて、羽坂くんを忘れようとしてた。

《もうすぐ始業式が始まります。生徒の皆さんは速やかに体育館に移動して下さい。》

「あっ、放送…」

「また後で話そう!!」

「うん。」

始業式かぁ…長いから嫌いだな。

《…つづきまして、新任の先生の紹介をします。》

ふーん…。今年は結構多いんだぁ…

あたしはそのとき、ときが止まったように感じた。


………かっこいい人………先生て呼ぶにはまだ若い人だった。でも身にまとっている空気は大人の男性そのものだった。あたしの目は先生だけを追うようになった。

名前…名前は??

《次の先生は戸波翔(トナミショウ)先生です。担当は数学。担任として3年3組に入っていただきます。》

うそ………担任だよ……

その後の話なんか頭に入らなかった。
こんな感覚始めてで心臓が破裂しそうなくらいバクバクしてた。




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