あたしの好きな人は先生?!
「優香、あなたは逃げてる。逃げていたら何も前には進まないわ。響夜くんも優香のつらさがわかってたんじゃないかしら??」

厳しいけど優しいお母さんの言葉にまた涙が溢れた。

「優香は、他の人と比べものにならないくらいのつらさを経験したでしょう??だから人の何倍も幸せにならないと…。優香はまだまだ強くなれるはずよ??」

あたしの中で音をたてて壁が崩れ落ちた。

あたしは、ずっと逃げてた。

真正面からぶつかって傷つくことが怖かった。

記憶がなくなって、みんなが離れていくんじゃないかって……。

ずっと不安だった。

だから、響夜が好きって言ってくれて、あたしを必要としてくれてるのが嬉しかった。

でも、心は正直だった。











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