あたしの好きな人は先生?!
一学期が始まって少し経ち、戸波先生の授業が大好きになっていた。

あたしがわからないところを先生に質問するだけで最近視線を感じるようになっていた。

誰からの視線かはわかっていたけど…………

「優香〜。最近戸波と仲良いよね〜☆何か優香、戸波のこと好きみたい。」

あたしはいきなり由希子ちゃんに声をかけられた。

「えっ……そんなことないよ…。由希子ちゃんのほうが仲良いじゃん。」

「そおかな☆まぁ、そう見えるように頑張ってるからね。」

由希子ちゃんが何を言いたいかがわからないんだけど…?

「そおなんだぁ。それで、由希子ちゃん何を言いたいの??」

由希子ちゃんのかわいい顔が少しも笑っていなくて、あたしは自分の腕から鳥肌がたつのを感じた。

「優香、あたしは先に言った方が勝ちだと思うから言うけど……。あたしは戸波が好きだから。だから、優香が戸波に色目使うのをあたしは許さないから…。それだけだから。じゃあ、ばいばい」

それだけを伝えて由希子ちゃんはあたしに背を向けた。
このままはイヤ!!!

「待って!!!由希子ちゃんっ!!」

由希子ちゃんは振り返ってくれた。

「あたしも、先生が好き。これは譲れない。」

あたしの思いを全て伝えた。

「ふーん。言っておくけど、あたしは負ける気ないし、譲る気もないから。」

それだけを言うと由希子ちゃんは一度も振り返らずに歩いて言った。

…ふぅ。あたし、先生が好きって言っちゃった。
今更だけど、もぅ後戻りできないんだなって実感した。
これからあたし、どうなるんだろ……??









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