あたしの好きな人は先生?!

二学期〜失われた記憶〜

体には何も異常はないから帰って良いってお医者さんに言われたから帰ることにした。

学校も今まで通りに行くことにした。

家に帰って来るとなんだか安心する。

ここはあたしの家なんだなって改めて感じられて嬉しかった。

でも、自分のことや他の人のことは何も思い出せないままだった。

あたしは、自分のバッグから授業用のノートを取り出した。

数学のノートに書いてあるのは、あたしと先生の相合傘だった。

あたし……先生のこと好きだったの?!

またページをめくると、きれいな字で


『お前の記憶がなくても、俺は覚えてるから。絶対に忘れないから。だから……俺のことは何も思い出すな。お前の笑顔がもう一度見れるのを待ってる。』


読むと涙が出てきて止まらなかった。

ノートの文字は先生の涙で歪んでいた。

あたし、大事な記憶も無くしてたんだね。

〈優香〉の大切な人を傷つけた。

先生、どんな思いでこれを書いてたの…??

あたしにはわかんないよ。







ねぇ、もしこの世に神様がいるのなら……



あたしの記憶を返してください。




あたしの愛しい人にもう一度伝えたいの。



     愛してる








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