あたしの好きな人は先生?!
「先生…」

あたしは、絞りだすようにしないと声が出ない。

「あたし、優香に戻って欲しいよ。前みたいに優香と笑いたいし、一緒に泣きたい。」

あたしの目からも涙が溢れてくる。

でも、今先生に伝えないと優香と先生はダメになる。

「でも、これはあたしのワガママってわかってる。でも、先生も言ったよね??今の優香は優香じゃない。だから、戻してあげたい。ううん、戻さなくちゃいけないの。」


言葉の最後は涙のせいで言えなかった。

「谷口…。ありがとうな。俺も優香と一緒にいたいんだ。でも、まだ言えない。」

まだ言えないってどういうことなの??


「どういうこと??」

「俺は優香が思い出すまで少しだけ待ってみたいんだ。」

「うん。あたしもそのほうが良いと思う。でも、だらだらと待っても意味ないと思うの。だから、いつまでか決めよう??」

「そうだな。二週間は待とう。」

「うん。あたしも協力するから。」

「ありがとう、谷口。」

「ううん、良いから。先生、優香のこと大切にしてるのちゃんと伝わると良いねっ!!」

「おぅ!!ほんとにありがとな!!」

「じゃあ、あたし、優香のところに戻るから。」

あたしは、数学準備室から出て優香のそばに戻った。








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