私がヤンキー校の勝利の女神!?
12
「……もう勘弁して」
天海君は眞大君のお説教に悲鳴をあげていた。
3組との喧嘩も終わり、保健室で皆の傷の手当てをしていた。
3人ともとても強く、何人束になっても3組の人たちは敵わなかった。
最後は3組のボスの「覚えてろよ!」が響いた体育館裏。
そのまま卒業まで大人しくしておいてほしいものだ。
後から聞いた話によれば、トップのまま卒業すると最強の称号が与えられるらしく、ボスは焦っていたらしい。
このままでは眞大君が最強の称号を手にしてしまう、と。
「もう許してあげてよ。私も気を抜いてたから避けられなかったんだし」
「一華は優しすぎるよ。どれだけ僕が心配していたか、君にはわからないだろう?」
「俺も心配……してたんだからな」
2人はまだ天海君を許せないようで、眞大君はお説教を続けようとしているし、真君も隣で天海君を責めている。
だが、面倒臭がりな天海君が一緒に3組と戦ってくれた時点で、かなり褒められることだと私は思う。
でも、眞大君の理想は私に危険が及ぶことなく、自分と真君だけで全員倒し切ってしまうことだったらしい。
だからこそ計画を狂わされ、おまけに3組に一瞬でも屈したことが気にくわないのだと。
「次からチーム戦にしようか」
「え? この3人で組むってこと?」
「うん。勝利の女神も味方してくれるし」
こちらを見てニッコニコの眞大君。3組を一掃できたのが嬉しいのか、他に嬉しいことでもあったのか。
わからないが、機嫌がいいのは良いことだ。
「それで、最後は最強チームの中で戦って、勝った人が最強ってこと」
「それは……いいのか?」
「禁止はされてないしいいでしょ。オレは賛成。その方が2人に任せてサボれる」
「サボる前提ヤメロ!」
「まだお説教が足りないのかな?」
「ごめんなさいマジで許して〜」
心のこもっていない天海君の謝罪。
だが、それ以上いじるつもりはないのか、眞大君は呆れたように笑っていた。
「それにしてもさ、喧嘩慣れしてないくせに一華強すぎるよ。オレ惚れちゃうかも」
「ダメだよ。僕の一華だからね」
「卒業したら裏正のじゃないでしょ」
「ジンクスのためだけに利用されてただけだし、卒業したらフリーだよな?」
少しそわそわとしている真君。
2年の時はもう好きじゃないとか言っていたけど、もしかしてやっぱりまだ私のことが好きだったんだろうか。
「僕は一華のことが好きだから、卒業したら正式に告白するつもりだしフリーではないと思うよ。ね、一華」
「……ええ?? もしかして私が断るとか微塵も思ってない?」
「断るの?」
眞大君の圧のある笑顔。怖い怖い。
眞大君と距離を取ろうとしたところで天海君に引き寄せられる。
「オレと1番仲良いから成功率はオレの方が上でしょ」
「そうなの?」
「は? 嘘でしょ?」
「俺は! 昔からの付き合いがある! あと、好きって何回も言ってくれてた!」
私の手を握って顔を赤くする真君。昔、確かに女の子と思って好き好き言っていたのは認める。
でも今は言ってない。誰1人として好きなんて言葉は言ってない。
皆確かにかっこいい。ヤンキーは全員苦手だと思っていたけど、その偏った知識は私の中から消しておくけれども。
今の私に選べるかと言われるとなかなか難しいものがある。
「じゃあ、こうしよう。このチームで卒業までトップを守る。最後まで守り抜いて、チームで一番になった人へ最強の称号と、一華の彼氏になる権利を与える」
「オレはそれでいいよ。負ける気しないし」
「俺だって負けねー!」
「じゃあ、そういうことで」
「待ってよ! 私良いって言ってないよ!」
私が絡んでいるのに私の承諾を得ず決まってしまい慌てて止めに入る。
だが、3人はもう決めたことだからと聞く耳を持たない。
「これからもよろしく、勝利の女神様」
「や、やだーーーーーー!」
天海君は眞大君のお説教に悲鳴をあげていた。
3組との喧嘩も終わり、保健室で皆の傷の手当てをしていた。
3人ともとても強く、何人束になっても3組の人たちは敵わなかった。
最後は3組のボスの「覚えてろよ!」が響いた体育館裏。
そのまま卒業まで大人しくしておいてほしいものだ。
後から聞いた話によれば、トップのまま卒業すると最強の称号が与えられるらしく、ボスは焦っていたらしい。
このままでは眞大君が最強の称号を手にしてしまう、と。
「もう許してあげてよ。私も気を抜いてたから避けられなかったんだし」
「一華は優しすぎるよ。どれだけ僕が心配していたか、君にはわからないだろう?」
「俺も心配……してたんだからな」
2人はまだ天海君を許せないようで、眞大君はお説教を続けようとしているし、真君も隣で天海君を責めている。
だが、面倒臭がりな天海君が一緒に3組と戦ってくれた時点で、かなり褒められることだと私は思う。
でも、眞大君の理想は私に危険が及ぶことなく、自分と真君だけで全員倒し切ってしまうことだったらしい。
だからこそ計画を狂わされ、おまけに3組に一瞬でも屈したことが気にくわないのだと。
「次からチーム戦にしようか」
「え? この3人で組むってこと?」
「うん。勝利の女神も味方してくれるし」
こちらを見てニッコニコの眞大君。3組を一掃できたのが嬉しいのか、他に嬉しいことでもあったのか。
わからないが、機嫌がいいのは良いことだ。
「それで、最後は最強チームの中で戦って、勝った人が最強ってこと」
「それは……いいのか?」
「禁止はされてないしいいでしょ。オレは賛成。その方が2人に任せてサボれる」
「サボる前提ヤメロ!」
「まだお説教が足りないのかな?」
「ごめんなさいマジで許して〜」
心のこもっていない天海君の謝罪。
だが、それ以上いじるつもりはないのか、眞大君は呆れたように笑っていた。
「それにしてもさ、喧嘩慣れしてないくせに一華強すぎるよ。オレ惚れちゃうかも」
「ダメだよ。僕の一華だからね」
「卒業したら裏正のじゃないでしょ」
「ジンクスのためだけに利用されてただけだし、卒業したらフリーだよな?」
少しそわそわとしている真君。
2年の時はもう好きじゃないとか言っていたけど、もしかしてやっぱりまだ私のことが好きだったんだろうか。
「僕は一華のことが好きだから、卒業したら正式に告白するつもりだしフリーではないと思うよ。ね、一華」
「……ええ?? もしかして私が断るとか微塵も思ってない?」
「断るの?」
眞大君の圧のある笑顔。怖い怖い。
眞大君と距離を取ろうとしたところで天海君に引き寄せられる。
「オレと1番仲良いから成功率はオレの方が上でしょ」
「そうなの?」
「は? 嘘でしょ?」
「俺は! 昔からの付き合いがある! あと、好きって何回も言ってくれてた!」
私の手を握って顔を赤くする真君。昔、確かに女の子と思って好き好き言っていたのは認める。
でも今は言ってない。誰1人として好きなんて言葉は言ってない。
皆確かにかっこいい。ヤンキーは全員苦手だと思っていたけど、その偏った知識は私の中から消しておくけれども。
今の私に選べるかと言われるとなかなか難しいものがある。
「じゃあ、こうしよう。このチームで卒業までトップを守る。最後まで守り抜いて、チームで一番になった人へ最強の称号と、一華の彼氏になる権利を与える」
「オレはそれでいいよ。負ける気しないし」
「俺だって負けねー!」
「じゃあ、そういうことで」
「待ってよ! 私良いって言ってないよ!」
私が絡んでいるのに私の承諾を得ず決まってしまい慌てて止めに入る。
だが、3人はもう決めたことだからと聞く耳を持たない。
「これからもよろしく、勝利の女神様」
「や、やだーーーーーー!」