ヤンデレ後輩男子の底なし溺愛包囲網からは逃げられない【一話だけ大賞参加作品】
第一話
話し声とパソコンのタイプ音とがさわさわと響き合い、空調の音がささやかに混じる。
都内のいつもの職場でいつものようにパソコンに向かい、小美地彩絵はキーボードを打つ。
営業から頼まれた資料の作成だった。
見やすく使いやすくを心がけてデータを打ち、まとめていく。
彼女が勤めるオリタケ株式会社は明治時代に食器の生産からスタートして、今は工業機材やセラミックマテリアル事業などで宇宙開発にまで貢献する会社となっている。
「小美地さーん」
声をかけられ、彩絵は手を止めて振り返った。
そこには後輩の湯丘希璃子がいた。入社二年目の二十四歳、はつらつとしたかわいい後輩だ。三十一歳の彩絵とは七歳も違うが、仲良くしている。
「もうすぐ定時ですけど、今日の合コン、ちゃんと来てくれますよね」
「先輩、、合コン行くの?」
通りかかった陽希が立ち止まった。彼もまた彩絵の後輩であり、二十五歳だ。懐いてくれているから彩絵もまたかわいがっている。
生まれつきの薄い茶色の髪と紅茶のような色の瞳、顔立ちは日本人離れしていて美しく中性的で背が高く、社内では人気ナンバーワンだ。営業成績も常にトップを争っている。
「ずっと彼氏いないって言うから、小美地さんのための合コンなの。金曜日だからゆっくりできるし」
希璃子が上機嫌で答える。
「ええ!? 人数合わせって言ったじゃない。」
だから了承したのに、まさか自分のための合コンだったなんて。
都内のいつもの職場でいつものようにパソコンに向かい、小美地彩絵はキーボードを打つ。
営業から頼まれた資料の作成だった。
見やすく使いやすくを心がけてデータを打ち、まとめていく。
彼女が勤めるオリタケ株式会社は明治時代に食器の生産からスタートして、今は工業機材やセラミックマテリアル事業などで宇宙開発にまで貢献する会社となっている。
「小美地さーん」
声をかけられ、彩絵は手を止めて振り返った。
そこには後輩の湯丘希璃子がいた。入社二年目の二十四歳、はつらつとしたかわいい後輩だ。三十一歳の彩絵とは七歳も違うが、仲良くしている。
「もうすぐ定時ですけど、今日の合コン、ちゃんと来てくれますよね」
「先輩、、合コン行くの?」
通りかかった陽希が立ち止まった。彼もまた彩絵の後輩であり、二十五歳だ。懐いてくれているから彩絵もまたかわいがっている。
生まれつきの薄い茶色の髪と紅茶のような色の瞳、顔立ちは日本人離れしていて美しく中性的で背が高く、社内では人気ナンバーワンだ。営業成績も常にトップを争っている。
「ずっと彼氏いないって言うから、小美地さんのための合コンなの。金曜日だからゆっくりできるし」
希璃子が上機嫌で答える。
「ええ!? 人数合わせって言ったじゃない。」
だから了承したのに、まさか自分のための合コンだったなんて。