異世界恋愛でしか摂取出来ない栄養がある。
私が生まれ変わったのは『ドキッ★婚約破棄されたけれど、何故か王子様に溺愛されました』の世界。『ドキデキ』の略称で親しまれていた大人気小説だった。
そして、私はヒロインシャロンと同い年の貴族令嬢、エステラ・ウェザレル。
小説の中では名前の『エ』の文字も出てこなかったモブなのだけど、彼女とは同じ伯爵令嬢なので、ヒロインシャロンと王子様エイドリアンの恋の行方を、近くで見届けることが出来る! という、最高の立ち位置だった。もう一回言うわ。最高。神様ありがとう。
読み過ぎて紙の本は数冊買い換えるほどに好きだった小説なので、どこで何が起きるかという時系列もそらで言えてしまうほどに把握済だ。
そして、私は今日も今日とて、城のある石塀の隙間からシャロンとエイドリアンの恋を見て楽しんでいた。
シャロンはある誤解をしてエイドリアンを避けていたんだけど、そんな彼女を追い掛け、エイドリアンは必死で説明して抱きしめる……そんな姿を、遠目からしっかりと観察していた。
そして、私はヒロインシャロンと同い年の貴族令嬢、エステラ・ウェザレル。
小説の中では名前の『エ』の文字も出てこなかったモブなのだけど、彼女とは同じ伯爵令嬢なので、ヒロインシャロンと王子様エイドリアンの恋の行方を、近くで見届けることが出来る! という、最高の立ち位置だった。もう一回言うわ。最高。神様ありがとう。
読み過ぎて紙の本は数冊買い換えるほどに好きだった小説なので、どこで何が起きるかという時系列もそらで言えてしまうほどに把握済だ。
そして、私は今日も今日とて、城のある石塀の隙間からシャロンとエイドリアンの恋を見て楽しんでいた。
シャロンはある誤解をしてエイドリアンを避けていたんだけど、そんな彼女を追い掛け、エイドリアンは必死で説明して抱きしめる……そんな姿を、遠目からしっかりと観察していた。