僕は彼女をこよなく愛している
そして、待ち合わせ場所に着き………

「あ!やっと来た!こっち!」
琢三が手を挙げている。

実陽と霞月は、足早に向かった。

「お疲れ!」
「お疲れさん!」

「お疲れ〜」
「こんにちは」

「「………」」
((ニコリとも笑わないし(笑)))

微笑む実陽と、無表情の霞月。
琢三と乃庵は、フッ…と笑った。

「とりあえず、なんか食いに行こ?」
「その後、ゲーセンね!」

「了解〜」
「………」
(ご飯とゲームセンター……
………遊ぶ時間長い…)

「何食う?」
琢三の言葉に、実陽と乃庵が「るなちゃん(霞月)は何が良い?」と霞月に聞いてきた。

「あ…私は、何でも…」

「霞月って、何が好き?」

「え?特には…
実陽達は?」

「うーん…僕達に決めさせたら、焼肉とか回転寿司になっちゃうよ?」

「焼肉…回転寿司…
うん、わかった」

「じゃあ、肉と寿司ならどっちがい?」

乃庵に言われ、霞月は少し考えて「お肉…」と答えた。


四人は焼肉店に向かう。
席に座り、タブレットで注文する。

「ねぇ、バイキングでもい?」
「俺は良いけど、霞月は?」
「るなちゃんは、元取れないよね…」

心配そうに見る三人に、霞月は「あ、大丈夫です。お肉、好きなので」と言った。


タブレットで、好きに注文しながらゆっくり食べ始めた実陽達。

「――――あ!そうだ!
霞月にお願いがあるんだけど…!」

乃庵が声をかけてきた。

「あ、はい」

「再来週、彼女の誕生日なんだ。
それで、プレゼント何にしよか悩んでて……
相談に乗ってくれない?」

「………あ…
…………はい、わかりました」

正直、嫌だと思った。
しかし、実陽の親友の頼みを断るのは失礼だ。

頷くと、隣に座っている実陽が「ねぇ、それって…まさか“一緒に”買いに付き合ってとかじゃないよね?」と乃庵を窺うように見て言った。

「え?そのつもりだけど?」

「ダメ!!
アンくんと二人とか…絶対!!ダメ!!」

「なんで?」

「お互いに好きになったらどうすんの!?」

「いやいや…ないでしょ?(笑)」

「わかんないじゃん!
アンくん、B高始まって以来のイケメンなんだからさ!
るなちゃんだって、すっごい美人だし!
もう…その名の通り“美男美女”じゃん!
お似合いすぎるでしょ!!」

「はぁ…あのさ!
霞月は、紛れもなく実陽が好きなんだからさ!
俺だって、彼女一筋なの!」

「………そうだけど…」

「な?
霞月も、良いかな?」

「はい、わかりました」
霞月は、ゆっくり頷いた。



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