僕は彼女をこよなく愛している
「「実陽!!」」
琢三と乃庵が駆けつけ、羽交い締めにして止めに入る。
「実陽!落ち着け!!」
「実陽!」
琢三が実陽を羽交い締めで抑えると、乃庵が実陽の前に立ち目を覗き込んだ。
「実陽!俺を見て!!
落ち着いて!
霞月が、泣いてる!
ね?
落ち着いてよ!
これ以上、睦月を悲しませないで!!」
言い聞かせるように言うと……
「……っ…え……るな…ちゃん…?」
「うん。
ね?落ち着いて!」
エネルギーが切れた人形のように、力なくへたり込んだ実陽。
「実陽!」
霞月が実陽を呼ぶ。
「あ…あ…るなちゃ……
るなちゃん!!!」
霞月に駆け寄る、実陽。
そして、力の限り抱き締めた。
(良かった…実陽だ…良かった)
霞月も、実陽にしがみついた。
男子学生が病院に運ばれ、実陽、霞月、琢三、乃庵、ミエも病院に向かった。
男子学生の状態を見て、医師が警察を呼んだ。
しかし………
「被害者がね。
被害届は出さないって言ってるんだ。
だから、我々は手が出せない」
警官にそう言われた、実陽。
「え?」
「被害届を出すと、必然的に彼も君の恋人に乱暴したことが明るみになる。
それが嫌なんじゃないかな?」
「あ…」
「お互いにもう二度と関わらないってことで、話をつけたいらしい」
「………わかりました」
「………」
「………」
「………とここまでは、警官として。
ここからは、僕自身が君に伝えたいことがある」
警官が、実陽を見据える。
「え?あ、はい」
「“どんな理由があっても”
暴力は、悲劇しか生まない。
例え君が、大切な恋人を守るためだったとしてもね。
君が暴力をふるってしまったら、結局君も彼女を傷つけた人間と同じってことなんだよ?
わかるよね?」
「はい、すみませんでした!」
「ん。
じゃあ…お大事にね」
警官が帰り、睦月がミエに頭を下げた。
「ミエさん、私のせいで怪我をさせてすみませんでした!」
「ううん!
ほら、擦りむいただけだし、軽症よ!大丈夫、大丈夫!」
「乃庵くんも、大切な恋人を傷つけてごめんなさい!」
「霞月は悪くないでしょ?」
「あと乃庵くん、琢三くんも、実陽を止めてくれてありがとうございました!」
「霞月が謝ることじゃねぇよ!」
「もう、頭上げてよ!」
「ありがとうございます」
そして霞月は、実陽に向き直った。
「るなちゃ……」
「実陽」
「るなちゃ―――――」
パチン………!!!!!
病院の廊下に乾いた音が響き、実陽が霞月に頬を平手打ちされた。
琢三と乃庵が駆けつけ、羽交い締めにして止めに入る。
「実陽!落ち着け!!」
「実陽!」
琢三が実陽を羽交い締めで抑えると、乃庵が実陽の前に立ち目を覗き込んだ。
「実陽!俺を見て!!
落ち着いて!
霞月が、泣いてる!
ね?
落ち着いてよ!
これ以上、睦月を悲しませないで!!」
言い聞かせるように言うと……
「……っ…え……るな…ちゃん…?」
「うん。
ね?落ち着いて!」
エネルギーが切れた人形のように、力なくへたり込んだ実陽。
「実陽!」
霞月が実陽を呼ぶ。
「あ…あ…るなちゃ……
るなちゃん!!!」
霞月に駆け寄る、実陽。
そして、力の限り抱き締めた。
(良かった…実陽だ…良かった)
霞月も、実陽にしがみついた。
男子学生が病院に運ばれ、実陽、霞月、琢三、乃庵、ミエも病院に向かった。
男子学生の状態を見て、医師が警察を呼んだ。
しかし………
「被害者がね。
被害届は出さないって言ってるんだ。
だから、我々は手が出せない」
警官にそう言われた、実陽。
「え?」
「被害届を出すと、必然的に彼も君の恋人に乱暴したことが明るみになる。
それが嫌なんじゃないかな?」
「あ…」
「お互いにもう二度と関わらないってことで、話をつけたいらしい」
「………わかりました」
「………」
「………」
「………とここまでは、警官として。
ここからは、僕自身が君に伝えたいことがある」
警官が、実陽を見据える。
「え?あ、はい」
「“どんな理由があっても”
暴力は、悲劇しか生まない。
例え君が、大切な恋人を守るためだったとしてもね。
君が暴力をふるってしまったら、結局君も彼女を傷つけた人間と同じってことなんだよ?
わかるよね?」
「はい、すみませんでした!」
「ん。
じゃあ…お大事にね」
警官が帰り、睦月がミエに頭を下げた。
「ミエさん、私のせいで怪我をさせてすみませんでした!」
「ううん!
ほら、擦りむいただけだし、軽症よ!大丈夫、大丈夫!」
「乃庵くんも、大切な恋人を傷つけてごめんなさい!」
「霞月は悪くないでしょ?」
「あと乃庵くん、琢三くんも、実陽を止めてくれてありがとうございました!」
「霞月が謝ることじゃねぇよ!」
「もう、頭上げてよ!」
「ありがとうございます」
そして霞月は、実陽に向き直った。
「るなちゃ……」
「実陽」
「るなちゃ―――――」
パチン………!!!!!
病院の廊下に乾いた音が響き、実陽が霞月に頬を平手打ちされた。