僕は彼女をこよなく愛している
“るなちゃんに、父さんと少しわかり合えたって伝えなきゃ!”

そんな思いで、足早に自宅マンションに駆けていく。

早く……るなちゃんに会いたい………!!

自宅に着き、声をかけながら中に入る。
「ただいま〜、るなちゃーん!」

霞月は、座椅子の上で丸まるように眠っていた。

「フフ…可愛い…///////」

霞月の周りには沢山の紙袋があって、テーブルの上に服やアクセサリー等が沢山置かれてた。

「お買い物したんだ…
一緒に行きたかったな…
…………ん?てか、これ…丈短っ!
これも…これも、これも…!
肌、見えすぎじゃん!
………ったく…“だから”一緒に行きたいのにぃ!」

ブツブツ文句を言いながら、霞月をベッドに寝かそうとして抱き上げた。

「………え……!?この香水の匂い…」

ふわっと、霞月からある香りが漂ってきた。 
琢三の香水の匂いだ。

霞月をベッドに下ろし、組み敷いた。

「るなちゃん、お買い物“一人で”行ったんだよね?
まさか、サブちゃんと密会したんじゃ……」

「………」

「………」

「んん…」

「………なわけないよね(笑)
るなちゃんはそんなことしないもん…!」

一人呟き納得して、霞月から離れベッドを降りた実陽。

水を飲もうとキッチンに向かった。
冷蔵庫を開ける。

「ん?なんだろ…」

霞月が買ってきたドーナツの袋だ。

「あ、このドーナツ!
懐かしい〜
………でもなんで、るなちゃんが?
………………」

ここのパン屋“サブちゃん”達とよく行ってた……

バサッ…とドーナツが、実陽の手から落ちる。
そして実陽は、キッチンからベッドを意味深に見つめた。

するとギシッとベッドが揺れて、霞月が起き上がった。

「ん…あれ…なんで、ベッド……」
呟く、霞月。

「る〜なちゃんっ!」

「……っ…え…!?
み、実陽!?
び、びっくりした…」

「るなちゃん、座椅子に子猫みたいに寝てたからベッドに運んだの〜」

「あ、そう…ありがとう。
疲れちゃって…」

「お買い物したから?」

「え?うん。
色々見てたら、止まらなくて…」

「色々買ったみたいだもんね!
てか!
なんでこんな露出が多いのばっか買ったの!?
ダメだよ!
るなちゃんの肌を見て良いのは、僕だけなんだから!!」

「また、そんなことを…
良いでしょ?
私だって、お洒落したいの」

「…………“何のために?”」

「え?
み、ひろ…?」

ゆっくり近づき、ベッドに上がる実陽。
閉じ込めるように、霞月を足で挟んだ。

実陽の表情は、なんだか言葉に出来ない恐ろしさを醸し出していた。

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