僕は彼女をこよなく愛している
クールなるなちゃんは僕をこよなく愛してくれている
夏休みが終わり、大学が始まった。
最近の実陽は、不機嫌だ―――――――
それは……
「霞月、ココア!
やるよ!」
「え?あ、ありがとう」
「………」
琢三が、やたら霞月に声をかけてくるからだ。
「あ、あとさ!
これ!」
「あ…これ…アツミ教授の講演だ」
「おぅ!
やるよ!
俺は別に行かなくてもいいし」
「え?でも、悪い…」
「いいって!
霞月のために取ったんだし!」
「え?」
「………」
「じゃあ…俺、行くから!
お邪魔〜」
手をひらひら振り、去っていく琢三。
それを見送り、実陽が霞月を横から抱き締めた。
「………」
「ちょっ…実陽!
こんなとこで、抱きつかないで!」
「………」
「実陽!」
「ちょっと、黙ってて」
「え……」
実陽の、低く重い声。
霞月はビクッと震え、固まった。
「………」
「………」
「………」
「………」
少しして、霞月を離した実陽。
「るなちゃん、ごめんね!
行こ?」
そう言って微笑み、霞月を立たせた。
「う、うん…」
指を絡めて手を繋ぎ、講義室に向かう。
「ねぇ、るなちゃん」
「え?な、何?」
ビクッと震える、霞月。
「あ…そんな怖がらないで?
大丈夫。怒ってないから!」
「………うん…」
(いやいや…めっちゃ、機嫌悪いじゃん!)
「サブちゃんに対して、どうしてタメ口になったの?
どうゆう心境の変化?」
「琢三くんと会ったって日に、琢三くんに敬語やめてほしいって言われたからだよ」
「それだけ?」
「え?」
「理由、それだけ?」
「うん。
他にどんな理由があるの?」
「サブちゃんに、心変わりしてるとか?」
「………」
(は?)
「サブちゃんも、良い男だしね!」
「………」
「るなちゃん?」
「実陽は、私の何を見てるの?」
ピタッと立ち止まった、霞月。
実陽を見上げ、言った。
その表情は、今までに見たことがないくらいに、切なく苦しそうに歪んでいた。
最近の実陽は、不機嫌だ―――――――
それは……
「霞月、ココア!
やるよ!」
「え?あ、ありがとう」
「………」
琢三が、やたら霞月に声をかけてくるからだ。
「あ、あとさ!
これ!」
「あ…これ…アツミ教授の講演だ」
「おぅ!
やるよ!
俺は別に行かなくてもいいし」
「え?でも、悪い…」
「いいって!
霞月のために取ったんだし!」
「え?」
「………」
「じゃあ…俺、行くから!
お邪魔〜」
手をひらひら振り、去っていく琢三。
それを見送り、実陽が霞月を横から抱き締めた。
「………」
「ちょっ…実陽!
こんなとこで、抱きつかないで!」
「………」
「実陽!」
「ちょっと、黙ってて」
「え……」
実陽の、低く重い声。
霞月はビクッと震え、固まった。
「………」
「………」
「………」
「………」
少しして、霞月を離した実陽。
「るなちゃん、ごめんね!
行こ?」
そう言って微笑み、霞月を立たせた。
「う、うん…」
指を絡めて手を繋ぎ、講義室に向かう。
「ねぇ、るなちゃん」
「え?な、何?」
ビクッと震える、霞月。
「あ…そんな怖がらないで?
大丈夫。怒ってないから!」
「………うん…」
(いやいや…めっちゃ、機嫌悪いじゃん!)
「サブちゃんに対して、どうしてタメ口になったの?
どうゆう心境の変化?」
「琢三くんと会ったって日に、琢三くんに敬語やめてほしいって言われたからだよ」
「それだけ?」
「え?」
「理由、それだけ?」
「うん。
他にどんな理由があるの?」
「サブちゃんに、心変わりしてるとか?」
「………」
(は?)
「サブちゃんも、良い男だしね!」
「………」
「るなちゃん?」
「実陽は、私の何を見てるの?」
ピタッと立ち止まった、霞月。
実陽を見上げ、言った。
その表情は、今までに見たことがないくらいに、切なく苦しそうに歪んでいた。