3人のお姫様は、溺愛されまくり⁉︎

まさかの裏切りと太陽

「そもそもだな⁉︎ 月は流星の女じゃないんだよ⁉︎ わかるか⁉︎」
重たい空気をうち破るようにして現れたのは、太陽だった。
すぐ側には、結美さんもいる。
シーンとなってしまった空気に太陽は気まずさを覚えたのか、
「流星…！正座なんてするな‼︎ 土下座なんてもっとダメだ。絶対するなよ⁉︎ だいたい、パシるとかなんなんだよ。流星はお前のこと信頼してたんじゃないのか⁉︎」
と怒鳴った。
「信頼？ウソつくな」
大地さんは鼻で笑った。
「俺をパシリとして使ったんだぞ！そんなの耐えられない。そもそも、信頼とか信用とかは、うわべだけの言葉だ。その言葉に意味なんてありはしない‼︎ 本当に心が通じることなんて、ないんだよッ…‼︎」
悲痛な叫びだった。
「お前ら、行けぇぇ‼︎」
感情がむき出しになった大地さんは、手下たちに命令をした。
だけど＿＿
誰ひとり、その命令に従わなかった。
「行けと言っているんだ‼︎ 聞こえなかったか⁉︎」
しばらく、沈黙が続いた。
沈黙を破ったのは、手下のひとりだった。
「＿＿俺は、信頼とか信用とか、ひとつひとつの言葉には、意味があると思います。意味のない言葉なんてひとつもない。心が通じることもあると思います。通じないって思ってるのは、大地さんだけですよ」
「うるせぇ、黙れ‼︎」
すかさず大地さんが言い返した。
でもその人はひるまない。
視線を下に落とした後、
「大地さんは、心が通じたこと、ないんですね」
「黙れと言っているんだ‼︎」
「だからわからないんです。心が通じることが、どれほど素晴らしいことか。きっと、輝夜先輩は大地さんと心が通じていたと思っていたはずです。大地さんも考え直してください。お前ら、行くぞ」
その人のかけ声に、手下たちが一斉に校門に向かって走り出し、いなくなった。