3人のお姫様は、溺愛されまくり⁉︎

俺は輝夜流星

【流星side】
「月ちゃん、どいてて」
俺は月ちゃんに声をかけると、太陽に蹴りを入れようとした__
だけど太陽もすぐに反応して、身をかがめ、俺の足は宙を切った。
「だ、誰…?」
月ちゃんの驚く声が聞こえる。
「驚かせてごめん、俺は、輝夜 流星(かがや りゅうせい)。中2。今年、月ちゃんと同じ学校に転校してきて、トップをねらってる。ルナの彼女でしょ?月ちゃんって」
「ち、違います!ルナの彼女なんてイヤです!ただ友達ってだけで…」
「そうなんだ」
月ちゃんの印象は、物事をはっきり言うタイプだなって思った。
ルナの彼女って聞いたけど…違かったのか。でも、ルナはどう思ってるんだろう。
__どっちにしろ、月ちゃんを奪えば俺はトップに立てるはずだ。
そう思ったとき、太陽の視線とぶつかった。
アイツも同じことを考えているのか?
「何やってんだ」
お腹から声を出したような、低い声が響いた。
「「「ルナ!」」」
「やっぱり来ると思った。お前の女だもんな」
太陽が鼻で笑う。
「そうだ。俺の女だ。手ぇ出すんじゃねぇよ」
ルナがボキボキと指の関節を鳴らす。
「月、下がってろ」
月ちゃんはうなずくと、俺たちと距離を取った。
「そういうことなら俺も負けない。ケンカなら、歳下とか歳上とか関係ないからな!」
俺がそう言うと、太陽が余裕たっぷりの表情で、
「月、ルナを見るのもいいけど、俺も見てよ?」
と微笑む。
「ちょっとケンカはやめてよ!3人の間で何があったかは知らないけど、私を巻き込まないで!」
わ、太陽の言葉、月ちゃんの心に何も響いてない…。
月ちゃんは俺たち3人を残したまま、走って行ってしまった。
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